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そして何より──。
私の右手首には、細く、けれど重厚な金の鎖が繋がれていた。
動くたびに「ジャラリ」と鳴るその音が、私の身分が王妃から囚人へと堕ちたことを告げている。
「……気がついたかな? セシリー」
部屋の隅、闇が溶け出すようにフィンセントが現れた。
彼は上着を脱ぎ捨て、シャツの袖を乱暴に捲り上げていた。
その隙のない動作、浮き出た腕の筋。
これから始まる「何か」を予感して、私は悲鳴を飲み込み、震えながら後退った。
「嫌、離して……! なにするの……こんなの酷い……!」
「ひどいのはどちらかな? 僕から逃げようとしたのは君だ」
フィンセントが鎖をぐいと手繰り寄せる。
逃げ場のないベッドの上で、私は彼の足元へと崩れ落ちた。
彼は私の顎を強引に掬い上げ、逃げられないように顔を固定する。
「ここは城の最深部にある、僕の寝室だ。君を逃がさないために、あらゆる魔法的な防壁を施した……今日から、一歩も外へは出さないよ」
「そんな……うそ、ま、待って……っ! なにするつもりなの……っ?!」
「君は僕が怖いんだろ? だから逃げる。なら、二度と逃げたいなんて思えないほど、僕で塗り潰されればいい」
「な、なに言って……っ……?」
「ほら、こっちを見て」
彼は抗う私の両手首を片手で軽々と押さえ込み、頭上へ固定した。
自由を奪われた身体に、彼の熱い体温が、容赦のない質量で押し付けられる。
「逃げようとした足には、この鎖が必要だね。そして、僕を拒絶したその唇には──」
言い終える前に、暴力的なほどの激しさで唇を塞がれた。
以前のような甘さは微塵もない。
私の唇を噛み切り、鉄の味が広がるほどに深く激しい蹂躙。
「んんっ……!! あ、っ……はぁ……ッ!」
彼は私の首筋から鎖骨にかけて
まるで自分の所有印を刻み込むように、激しく、執拗に吸い痕をつけていく。
その痛みと快楽の混ざった刺激に、私の頭は急速に白濁していく。
「…痛い……? でも、僕の胸の痛みは、こんなものじゃないんだ」
フィンセントの瞳には、涙さえ浮かんでいるように見えた。
けれど、その手は容赦なく私の肌を愛撫し、逃げ場を完全に奪っていく。
彼の手が太腿の奥深くまで入り込み、私の「弱点」を的確に突き、弄ぶ。
「あ、ぁ……っ! フィン、セント……だめ、おかしくな、る……っ」
「おかしくなればいい。僕のことしか考えられないように、僕がいなければ息もできないように、君の身体を僕で塗り潰してあげる」
執拗な舌使いと、容赦のない指先の動き。