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#性悪聖女
――ORVAS 会議室。青白い光が、静かに空間を照らす。
中央に浮かぶホログラム。
近未来的な空間。
そこに、すでに二人の姿があった。
一祟。
静かに椅子に座り、周囲を見渡す。
唯我。
壁にもたれ、腕を組み、目を閉じている。
空気が重い。
「……」
沈黙。
やがて、一祟が口を開く。
「改めまして――」
「一祟と申します」
「本日から、よろしくお願いいたします」
丁寧な礼。
返ってきたのは――
「……あぁ」
唯我の、短い返事だけ。
再び沈黙。
そのとき――
ガチャ
ドアが開く。
「……揃ったか」
畑中。
部屋を見回す。
そして――
「……おい」
「一人足りねぇぞ」
部下が気まずそうに言う。
「……まだ来ていません」
ピキッ
畑中のこめかみに青筋。
「クソガキが……!」
その瞬間――
バンッ!!
ドアが勢いよく開く。
「おう、悪ぃ」
ラフな格好の少年。
武藤公太。
「ちょっと混んでてよ」
空気が凍る。
「てめぇ……」
畑中が一歩出る。
だが――
別の視線。
唯我が、公太を見ていた。
冷たい目。
「……こんな奴で大丈夫か?」
――火がついた。
「はぁ?」
公太の目が変わる。
「文句あんのか?」
「……あぁ」
次の瞬間。
ガシッ!!
胸ぐらを掴む公太。
同時に――
スッ
唯我の手が、剣へ。
一触即発。
その時――
「……やるなら外でやれ」
畑中の低い声。
同時に――
ウィン……
壁の装置が起動。
二人に照準。
「ここで暴れたら、撃つぞ」
沈黙。
チッ
公太が手を離す。
唯我も剣から手を離す。
空気が張り詰めたまま――
「……本題だ」
ホログラム起動。
地球が浮かぶ。
だが、そのとき――
ガチャ
再びドアが開く。
現れたのは、一人の女性。
スーツ姿。
洗練された雰囲気。
「はじめまして」
「オペレーターのジュリーよ」
その瞬間――
「……ッ」
ポタッ
一祟の鼻から、血。
「……は?」
「坊主、どうした?」
「貧血か?」
二人の視線。
一祟、鼻を押さえながら――
「いえ……」
「少し、美しい方を見てしまいまして……」
沈黙。
「……は?」
唯我、ドン引き。
公太、苦笑。
畑中、額を押さえる。
「……お前が一番ヤベェな」
少しだけ、空気が緩む。
ジュリーが淡々と説明を始める。
「これが“アビス”」
「各地で侵食が進んでいます」
映像。
崩壊した街。
だが――
「ふぁ~……」
公太、あくび。
「長ぇな」
「こんなん聞くより、ぶっ飛ばした方が早ぇだろ」
シン……
畑中、無言で睨む。
唯我、小さく呟く。
「……馬鹿か」
「はぁ!?」
また火花。
そのとき――
「違います」
一祟の声。
真っ直ぐな目。
「これは、命懸けの戦いです」
空気が変わる。
二人も、言葉を失う。
畑中が口を開く。
「……後日、訓練プログラムを用意する」
「お前らを鍛え直すためのな」
それぞれの反応。
公太「チッ……」
唯我「……」
一祟「はい」
「今日は解散だ」
扉が開く。
三人は、それぞれの方向へ歩き出す。
バラバラの三人。
だが――
同じ戦場へ。
物語は、ここから動き出す。
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