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ORVAS基地・外。
夕暮れ。
冷たい風。
静寂の中――
コツ、コツ
足音。
公太が、歩いてくる。
その先に――
唯我。
「おい」
立ち止まる唯我。
「……なんだ」
振り向く。
「さっきからよ」
「俺のこと、見下してんだろ?」
沈黙。
「別に」
「相手にする価値がないだけだ」
ピキッ
「……上等じゃねぇか」
次の瞬間――
ドンッ!!
公太、殴りかかる。
しかし――
スッ
間に入る影。
一祟。
「お二人とも」
静かに手をかざす。
「争う必要はありません」
止まる拳。
止まる剣。
「……今の」
公太が呟く。
「何した?」
唯我も目を細める。
「……やるな」
一祟、微笑む。
「仲間同士ですから」
沈黙。
唯我、背を向ける。
「……くだらん」
去る。
公太も舌打ち。
「チッ……」
逆方向へ。
――夜。
街の裏通り。
「……腹減った」
公太、腹を押さえる。
「母ちゃん、まだ仕事だしな……」
そのとき。
「公太さん」
振り向く。
一祟。
「寺に来ませんか?」
「食事、用意できます」
「……は?」
「なんでお前がここに」
「お使いの帰りです」
「近くに寺がありますので」
沈黙。
「……マジか?」
「はい」
空腹には勝てない。
「……しゃーねぇな」
ついていく。
――寺。
畳の部屋。
温かい空気。
「おや、お客様ですか」
住職が微笑む。
「公太さんです」
「同じチームの方で」
「……お邪魔します」
ぎこちない礼。
並ぶ料理。
味噌汁。
煮物。
白米。
「……いただきます」
ガツガツ!!
「……うめぇ」
その一言。
住職と一祟が笑う。
食後。
「……ありがとな」
少し照れながら。
「礼、したい」
「いえ、お気遣いなく」
「いや、それじゃダメだ」
考える一祟。
そして――
「では」
「明日、掃除を手伝っていただけますか?」
「……は?」
予想外。
「それでいいのかよ」
「はい」
沈黙。
「……ま、いいか」
「メシ代だな」
「やってやるよ」
こうして――
不良と僧。
奇妙な縁が生まれる。
それはやがて、
確かな“絆”へと変わっていく。
影は交わり、
少しずつ、形を持ち始める。
#性悪聖女