「今日も頑張るぞ!」ゆうなが伸びをしながらリオに向かって笑顔を見せる。
リオは低い唸り声で応え、ゆうなに近づいて頭をこすりつける仕草を見せた。
「リオもすっかり私たちに懐いたな。」みりんが満足そうにリオの頭を撫でた。
「さて、今日はどっちの方向を探検する?」いさなが地面に棒で描いた簡単な地図を見つめる。「西の方に行けば、昨日見つけた果実の木がもっとあるかもしれない。」
「じゃあリオにお願いしよう!口の中に色々入れてくれるかも。」ゆうなが楽しげに提案した。
リオの食事中、みりんが驚きの声を上げた。
「見て!リオ、植物を食べてないよ!口の中にいくつか溜め込んでる!」
確かにリオは、大きな葉っぱや枝を咀嚼しながら、一部を口の中に器用に収納していた。その行動はまるで「みんなのために取っておく」という意図があるようだった。
「これ、役立つんじゃない?」ゆうながリオの口元に近づき、蓄えられたものを取り出そうとする。
「おい、危ないぞ!」いさなが焦った声を出すが、リオはおとなしくじっとしていた。
「ほら!」ゆうなが誇らしげに取り出したのは、丈夫そうな枝と瑞々しい果実、そして柔らかい藁のような植物だった。
「リオ、ありがとー!」ゆうながリオの頭を軽く叩くと、リオは得意げに鼻を鳴らした。
リオの助けを借りて、4人は効率よく物資を集めることができた。
「この木、燃料になるし、工具も作れるかもな。」いさなが集めた枝を確認する。
「藁ももっと集めれば寝床がふかふかになるよ!」萌香が藁の束を抱えて笑った。
「木の実、食べられるやつかな?」みりんが慎重に果実を観察しながら言う。「一度火で炙って試してみよう。」
「リオのおかげで、物資の心配は減ったね!」ゆうなが笑顔で言うと、リオはまるで理解しているかのように再び鼻を鳴らした。
夕方、小屋に戻った4人は、今日集めた資材を並べて計画を練った。
「これで小屋をもっと快適にできるし、新しい道具も作れるかもしれない。」いさなが言う。
「そうだね。この島に何があるかわからないけど、私たちにはリオがいる。」みりんが優しくリオを見上げる。
「リオはすごい!これからも一緒に頑張ろう!」萌香が声を弾ませると、リオは嬉しそうに尻尾を揺らした。
「明日はもっと奥地に行ってみよう!」ゆうなが言った。
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