太陽が真上に昇る頃、4人とリオは島の奥地に足を踏み入れていた。これまで探索したエリアよりもさらに深い森。背の高い木々が立ち並び、足元には分厚い葉や草が生い茂っている。
「ちょっと雰囲気違うよね…」萌香がリオの背中から辺りを見渡しながら呟いた。「なんだか、静かすぎる気がする。」
「気味が悪いな。」いさながロープを手に持ちながら答えた。「音が少ないってことは、大きな捕食者がいる可能性が高い。」
「捕食者…って、まさか肉食恐竜?」みりんが身をすくめる。
「可能性もある。」いさなが険しい表情で頷く。「俺たちは安全だけど、奴らが襲ってきたら簡単には逃げられない。」
「リオも戦うのかな?」ゆうながリオの首を見上げた。「草食恐竜だし、戦うのは苦手なんじゃ…」
その時だった。遠くから低い唸り声が聞こえ、木々が不自然に揺れ始めた。
「来た!」いさなが警戒を強める。
木々の間から現れたのは、大型の肉食恐竜――鋭い牙を持ち、体長はリオに匹敵するほどの大きさだった。その目は鋭く、完全に4人とリオを狙っていた。
「ティ、ティラノサウルス!?」萌香が震える声で叫ぶ。
「違う…近い種類だな。」いさながリオの背中から飛び降りた。「全員、リオの背中から降りろ!」
「なんで!?」ゆうなが慌てて聞き返す。
「リオに戦わせるわけにはいかない!引きつけるんだ!」
「いやいや、無理だって!」みりんが叫ぶが、いさなは冷静にナイフを構える。
肉食恐竜が唸り声を上げ、地面を揺らすような足音を立てて近づいてきた。その瞬間、リオが低く鼻を鳴らし、ゆっくりと4人を背中から降ろした。
「リオ、どうするつもり!?」ゆうなが叫ぶ。
すると、リオは前足で地面を叩き、肉食恐竜に向かって声を上げた。それはこれまで聞いたことのないような咆哮で、周囲の空気が一瞬にして張り詰めた。
肉食恐竜も一瞬だけ動きを止めたが、そのまま突進してきた。
「うわっ、やばい!」みりんが叫ぶ。
しかしリオは動じることなく、巨体を活かして相手を押し返した。肉食恐竜が鋭い牙で襲いかかろうとするたびに、リオはその長い首を使って巧妙にかわし、反撃のタイミングを伺っていた。
「リオを援護しよう!」いさなが声を上げる。「木の実を投げて気を引け!」
「木の実!?」萌香が驚いたが、すぐに地面に落ちていた果実を拾い上げた。「これでいいの?」
「構わない!とにかく奴の注意をそらせ!」
みりんとゆうなも次々に果実を投げ、肉食恐竜の顔に当てた。それが効いたのか、恐竜は一瞬だけ動きを止め、4人に視線を向けた。
その隙にリオが体当たりを仕掛け、肉食恐竜を大きく後退させた。
肉食恐竜はリオの力強い攻撃に圧倒され、最終的には唸り声を上げながら森の奥へ逃げていった。リオは追いかけず、その場に立ち尽くしてしばらくの間、警戒を続けていた。
「やった…!」ゆうながリオの首を撫でながら涙ぐんだ。「リオ、本当にありがとう…!」
「強いな…」いさながリオを見上げながら呟いた。「こいつ、ただの草食恐竜じゃない。」
「リオ、やっぱりすごい!」萌香がリオに抱きつくようにして感謝を伝える。
一旦戻った4人は、リオの傷の手当てをしながら今日の出来事を振り返った。
「リオのおかげで助かったけど…これからもっと危険な相手が出てくるかもしれないね。」みりんが静かに言う。
「だからこそ、リオと一緒にこの島を攻略しよう。」いさなが決意を込めて言った。「次はもっと準備を整えて挑む。」
こうして、4人とリオの絆はさらに深まり、彼らの冒険は次のステージへと進んでいくのだった――。
コメント
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やっぱ…言葉の使い方レべチ…、