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「…まさか」
「え〜?」
違う。そんなんじゃない。自殺じゃない。ただ、実験をしようとしていただけ。そう。実験だ。
「そんなわけないじゃないですか」
「だよね〜。悩みとかなさそうだしw」
「そうですよ」
「はい!次あんたの番!」
そうか。私だ。全く考えていなかった。先輩の嘘…分からない。それこそ、なんの悩みもなさそうな、そんな人なのに。
「…実は同い年とか?」
「バカにしてる?」
「いえ?」
変な質問をしてしまった。失礼だ。どうしよう。咄嗟にでたのがこれだった。
「えと、その…」
「何〜?」
「すみません」
「別にいーよ。気にしてないし?」
「ほんとですか…?」
「おん!」
嘘をついている。すぐにわかった。
「ってかもう夕方じゃん」
「あっほんとだ」
時刻は7時前といったところだろうか。夏のせいもあり、いつもより明るい。
「しょーがない!今日はもう帰りな!」
「え、いいんですか?」
「だってそんな遅くまでここにいさせる訳にはいかないでしょ!」
「…そう、ですね」
「ほら!帰るぞ!」
「…」
私は無意識的にフェンス側に行っていた。街の色が段々と茜色に変わっていく。そしていずれは、闇に染まる。この景色も、せっかくだからしっかりと見ておこう。綺麗なままのこの景色を。
「どした?帰んないの?」
「かえりますよ。」
「…なにしてんの?」
「かえるんですよ」
「どこに?そっちは違うっしょ?」
「土に還るんです」