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父子家庭で育った僕。
僕はたった2人だけの家で育った。
親はただ1人、父様だけだった。
あとはこの僕だけ。
そういえば僕には名前があるのだろうか……
こんなことを考えていた時、
インターホンが鳴った。
父「チッ、気やがった…… 」
××「…父様、私が出ましょうか」
父「…いや、出るな、絶対にだ。」
××「…?はい、わかりました」
何で出ては行けないんだ?
せっかく来てくださったお客様なのに、
父「……去ったか」
あ、行ってしまった……
××「……父様」
父「…なんだ」
××「私には…『名前』がありますか、」
父「…名前?」
××「はい、…この国…いえ、この世界では、
一人一人に『名前』というのがあると、私は
聞きました」
父「お前に名前などない。残念だったな」
××「……はい、ありがとうございます」
父様には名前があるのだろうか?
聞いてみたい気もするが、これ以上質問すれば、父様の機嫌を損ねてしまうかもしれない。
でも…気になる……
いや、辞めておこう。僕には関係の無い話だから
2人しか居ないのにとても狭く、明かりが
ランタン1つだけの この家で、
僕は考えたのだった。
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