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「お、雪乃ちゃんだ」
「あ、草凪さんおはよ〜」
「草凪妹じゃん」
「おーい草凪妹〜」
「ニャオハ可愛い〜」
めーーーちゃくちゃ声掛けてくるやん。
雪乃は参っていた。
最近ほんとにどこに行っても誰かしらに声を掛けられる。
「人気者だな」
ニャオハを抱えたまま職員室に行けば、担任にまでそう言われる始末。
「助けてください」
「無理」
「担任でしょ」
「いーだろチヤホヤされてれば」
「いやだから、目立っちゃ駄目なんだって」
「なんで」
そう言われると返答に困る。
雪乃は提出物を叩きつけながら、「もういいです」と職員室を出る。
喉が渇いた、と自販機へと赴く。
何を買おうか悩んでいると、後ろから「え!?」と誰かが叫んだ。
振り向くと、男子生徒が1人。
こちらを見て固まっている。
首を傾げて見ていると、「あ、あの!!」と改めて声を掛けられる。
「…はい」
「く、草凪雪乃さん!!」
「…はい」
「す、すすす、好きですッ!!!!!付き合ってください!!!!」
………え?
雪乃は頭が真っ白になる。
なに?好き?告白?
え?突然?
徐々にテンパり始める。
告白なんてされた事がないし、どうしたらいいのか分からない。
何て言うのが正解なの?
てか初めましてなのに何でそんな事言えるの?
てか誰?
顔を真っ赤にして返事を待つ男子生徒。
何か言わなきゃ、と焦る雪乃。
と同時に何故告白されているのか分からなくて怖くなる。
そんな中、
ガシャン
そんな空気を気にせず2人の間で飲み物を買う、見知ったグルグル眼鏡が1人。
雪乃は反射的に、自分の横を通り過ぎて行くそいつの肩に手をかけた。
「あっれー根岸じゃん久しぶりーっ!!」
「違うけど」
「偶然だねー!元気だったー?!」
「めっちゃ棒読みやん」
「そうそう、そういえば話したい事あったんだよねー!ちょっと顔貸してもらっていー!?」
そのままチーノの腕を引っ張って行こうとする雪乃。
「あ、そういう事なので失礼します!」
ポカンとその様子を見つめていた告白してきた男子生徒に早口で捲したて、チーノを引っ張って校舎の方へ入っていった。