テラーノベル
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『笑っている君が、一番心配だった。』
「自分より、みんな」
昼休み。
いつものように、6人で机を囲んでいた。
ぷりっつ「腹減ったぁ〜!」
まぜ太「さっき食っただろ。」
ぷりっつ「昼飯は別腹や!」
まぜ太「意味わかんねぇ。」
けちゃ「ぷりちゃん、僕のお菓子いる?」
ぷりっつ「いる!!」
けちゃ「はい!」
ぷりっつ「ありがと〜!」
ちぐさ「けちゃ、ぷりちゃんに甘すぎじゃない?w」
けちゃ「だってぷりちゃん可愛いもん!」
ぷりっつ「せやろ?」
まぜ太「調子乗んな。」
6人が笑う。
そのとき。
あっと「……あれ?」
あっとが机の横を探し始めた。
あっと「ない。」
ちぐさ「何が?」
あっと「今日持ってきたプリント。」
ちぐさ「えっ、どこ?」
あっと「さっきまであったんだけど……。」
あっとが鞄の中を探す。
まぜ太「机の中は?」
あっと「ない。」
ぷりっつ「ロッカーは?」
あっと「見てくる。」
あっとが席を離れる。
すると、ちぐさも立ち上がった。
ちぐさ「俺も探す!」
あっと「いいよ、ちぐ。」
ちぐさ「いいからいいから!」
2人で探し始める。
数分後。
ちぐさ「あ!!」
ちぐさが教室の後ろにある棚を指差す。
ちぐさ「あったよ!」
あっと「ほんとだ。」
ちぐさ「よかったぁ〜!」
あっと「ありがとう。」
ちぐさ「えへへ。」
笑うちぐさ。
あっとも笑った。
放課後。
6人は教室で帰る準備をしていた。
けちゃ「あれ?」
けちゃが鞄を探る。
けちゃ「僕の筆箱どこだっけ?」
ちぐさ「机の中じゃない?」
けちゃ「ない〜!」
ちぐさ「じゃあロッカー!」
けちゃ「見てくる!」
しかし――
けちゃ「ないよぉぉ!!」
ちぐさ「えぇ!?」
6人で探す。
すると、まぜ太が筆箱を見つけた。
まぜ太「これじゃね?」
けちゃ「あ!!それ!!」
ちぐさ「よかったね!」
けちゃ「ありがとう、みんなぁ!」
帰り道。
ぷりっつ「今日も平和やったなぁ。」
まぜ太「お前が筆箱なくした以外はな。」
けちゃ「だってなくしたんだもん!」
あっと「開き直った。」
ちぐさ「ふふっ。」
みんなで笑いながら歩く。
その途中。
ぷりっつが急に立ち止まった。
ぷりっつ「……あ。」
ちぐさ「どうしたの?」
ぷりっつ「なんでもない。」
ちぐさ「?」
ぷりっつは少しだけ顔をしかめていた。
ちぐさ「……ぷりちゃん。」
ぷりっつ「ん?」
ちぐさ「今日、なんかあった?」
ぷりっつ「え?」
ちぐさ「さっきからちょっと元気ない。」
ぷりっつは驚いたように目を丸くする。
ぷりっつ「……そんな分かりやすかった?」
ちぐさ「分かるよ。」
ぷりっつ「……実は、今日数学のテスト返ってきてん。」
ちぐさ「あー……。」
ぷりっつ「めっちゃ悪かった。」
ちぐさ「……。」
ちぐさは少し考える。
そして――
ちぐさ「じゃあさ!」
ぷりっつ「ん?」
ちぐさ「今日帰ったら一緒に勉強しよ!」
ぷりっつ「え!?」
ちぐさ「俺は数学得意だし、一人より二人の方がいいじゃん!」
ぷりっつ「……。」
ぷりっつが笑う。
ぷりっつ「……せやな!」
ちぐさ「よし!決まり!」
その様子を後ろから見ていたあっきぃ。
あっきぃ「……。」
まただ。
ちぐさは、誰かの変化にはすぐ気づく。
誰かが困っていたらすぐ助ける。
誰かが落ち込んでいたら、すぐ隣に行く。
なのに――
あっきぃ (ちぐちゃん自身のことは……。)
あっきぃは、ちぐさを見る。
ちぐさはぷりっつと笑っている。
あっきぃ(……何も言わない。)
その夜。
6人のグループチャットにメッセージが届く。
けちゃ『明日みんなで何するー?』
ぷりっつ『カラオケ行こや!』
まぜ太『またかよ。』
あっと『いいんじゃない?』
あっきぃ『俺も行くー!』
そして。
ちぐさ『俺も行く!!』
すぐに返信が来る。
けちゃ『やったぁ!!6人だね!!』
ちぐさはスマホを見ながら笑う。
ちぐさ「……6人。」
小さく呟く。
そして――
いつものように笑った。
――第3話・終わり。
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#AMPTAK
コメント
3件
第3話、読み終えました。今回も6人のあたたかい空気が伝わってきて、ほっとする時間でした。 特に印象的だったのは、あっきぃの視点ですね。ちぐさがぷりっつの変化にすぐ気づいて「一緒に勉強しよう」と誘う優しさ、その一方で、ちぐさ自身のことは何も言わない——。あっきぃの「笑っている君が、一番心配だった」という一文が、じんわりと心に残りました。最後の「6人」という小さな呟きも、ちぐさの胸の内を想像させます。 次話も楽しみにしています🌷