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タクシーにのり家に着くと、
ドアノブに紙袋が置いてあるのが見えた。
中を覗き込むと。
吉『うっ、、、オェ、、ッ』
ゴムの中に溜まった白い液体
それが何個も入っている。
見た瞬間吐き気が治らなかった。
鍵を急いであけ、、、中に入った瞬間違和感に気づいた。
変えられたカーテン、知らないコップに服。
誰かが入った形跡。
これまでなかったような恐怖が支配した。
震える体で靴も履かず家を飛び出した、、、
何度も足が縺れながら転けても、家から離れたくて必死に走った。
吉『ッ!!ハァハァハァ』
何とか携帯を取り出し勇斗に電話をかける
プルルルルプルルルル
勇「もしもし?仁人?」
吉『はやとっ…ハァハァハァ…たすけてっ』
勇「!?仁人!!今どこだっ」
吉『ハァハァっ…わかんないっ..おれっ…どうしたらっ』
パニックになり自分でも何を言ってるかさえわからなかった。
勇「落ち着け仁人!!大丈夫だから!迎えいくから位置情報送れっ!」
勇斗の声に少し冷静さを取り戻した俺は勇斗に位置情報を送る。
近くのベンチに膝を抱えて座り込んだ。
時間が経つとじわじわと怪我したところに痛みが走った、、、
よくみると足の裏や膝、腕にも傷ができており血がタラタラと溢れていた。
数十分するとドタドタと足音が聞こえた。
足音だけで誰かわかる、、、
ふわっといい匂いと共に包み込まれた。
吉『は..やと』
佐「大丈夫か?心配した。お前これ、、、俺の家に行くぞ。」
吉『…うん』
グッと抱き起こされ車に乗せられる、、、
勇斗といるだけで安心する
車が駐車場につき、再度勇斗に抱っこされた。
いつもの俺なら抵抗するが、今は縋りたかった。
勇斗の首に手をまわし、胸元に顔を埋めた。
家についてからも抱っこしたままソファに座る。
勇「仁人??少し落ち着いたか?」
仁『…うん』
勇「その傷手当しよ??」
仁『…嫌っ。』
ギュッと勇斗にまわしている腕に力を入れる。
勇「嬉しいんだけど、、、手当しないと。綺麗な肌に傷が残っちゃうから。」
仁『…うん。』
その後綺麗に手当してくれた勇斗。
手当後はまた、落ち着く為に勇斗に抱きついた。
抱きつくと嫌がりもせず、背中を撫でてくれる大きな手にほっとした。
勇「なぁ、教えてくれよ。」
仁『ッ!』
勇「皆んな、気づいてる。心配してるよ。」
仁『…言えない。』
勇「なんで?俺はね、メンバーだけじゃない。好きな人を守りたいから聞いてるんだ。」
仁『!!?…でもっ…グスッ。いえないっ!!勇斗だけじゃないっ、皆んなが傷つけられたらっ俺っ!グスッ』
勇「大丈夫だから、、、誰も傷つかない。俺が何とかするから。」
仁『グスッ…』
勇「仁人?こっち見て。チュッ。俺が守るから話して。ねっ?俺好きな人を守りたいよ。」
仁『うっ…はやとっ、、、うわぁぁぁん。こわ、こわかった、、、』
勇「うん、大丈夫だから落ち着いたら話して。」
体の水分が全部なくなるんじゃないかってくらい泣き続けた。
mico
613
池田さん
23
落ち着いた頃には勇斗が呼んでたんだろう、メンバーも揃っていた。
俺は今まであったこと全部話した。
仁『…て事があった…でも、今日は1番酷くて、、、ドアに大量の使用済みゴムが置かれていて、部屋には誰かが入った形跡が沢山あって、、、必死に逃げてきた。』
勇「うそだろ、、、何で黙ってた、、」
仁『言ったら、、、メンバーを傷つけるからって、、俺さえ我慢すればいいかなって。』
塩「言うてや、俺仁人が弱っていく姿見るの辛かったんよ。」
山「ごめんね、もっと早くに気づいてば。頑張ったね。」
曽「ほんま、心配したんよ。俺たち家族やろ?」
吉『ッ!ありがとうっ』
塩「てか、ほんま酷いな。家まで入られてるのはやばない?」
山「だね、このままだと逆上しかねないよね。」
勇「だな、俺からマネージャーに連絡するから。あと、仁人今日から俺ん家な。」
吉『でも、、、』
勇「でもじゃない、約束したろ?仕事もマネージャーかメンバーと行動すること。」
吉『わかった、、、ありがとう』
勇「よしっ」
笑いながらわしゃわしゃと頭を撫でる勇斗の大きい手に安心し、久しぶりに笑顔がでた。
勇「よかった、、、やっと笑顔でたな」
それから、マネージャーに今回のことが伝わり。警察も動き出した。
勇斗の家で過ごし、仕事でも誰かと一緒に行動した。
あれから、ストーカーからの音沙汰はなく過ごしていた。
俺たちは気が抜けていたかもしれない、、、
メンバーと撮影待ちをしていた時
トイレに行きたくて立ち上がった、、、
勇斗はマネージャーに呼ばれて出ている。
太智と柔太朗は衣装とステージについて打ち合わせ。
舜太は試験もあり勉強中。
トイレくらい大丈夫かって、気の緩みがあったのかもしれない、1人で楽屋を後にした。
トイレをし楽屋に戻ろうとした時
ス「こんにちは。」
ビクッ
急に声をかけられびっくりしながらも、振り返るといつかの新人スタッフ。
吉『あっ、こんにちは。』
ス「あの、撮影始まるので声をかけるよう言われたんですが?」
吉『あっ!すいません!今行きます!』
ス「他の皆さんはもう行ってますので。こちらにどうぞ。」
吉『そうなんですね。わかりました。』
スタッフについて部屋にはいると、
そこは使われていないであろう倉庫。
吉『えっ?』
カチャ
鍵を閉める音、背中に嫌な汗が流れる。
吉『まさか、、、』
ス「はぁ〜なんで、、、なんでなんでなんで、俺を見捨てた?ずっと家で待ってたのに。」
吉『ッ!おまえ!』
さっきとは違ってそいつの目は光を失っていた。
近づいてくる男に後退りするが、すぐに行き場をなくした。
ス「あんな男とずっと一緒にいやがって!GPSつけてもずっとあいつの家ばっかり!!これは、立派な浮気だ!」
吉『何言ってんだっ!お前と付き合ってなんかないっ!』
ス「はぁ〜、、、もういい。俺のものにならないなら。」
吉『やめろっ!離せっ!』
ドンっと床に押し倒されたと思った時には
首が締まる感覚、、、
吉『ッ、、、カハッ、、や、め、ろっ』
抵抗するが、外れない手。
ドンドンドン
佐「仁人!!ここにいるんだろっ!!」
外から勇斗の声が聞こえる、、、
ス「チッ…また、あいつかよ。安心しろ、お前が死んだら俺もいくからな」
とニヤリと笑う男。
ドンドンドン!
じんちゃん!じんと!って呼ぶメンバーの声が聞こえる。
意識を失う瞬間みんなの顔が浮かんだ。
勇斗side
マネージャーと打ち合わせ後、楽屋に戻ると柔太朗と太智は話し合いをしていて、端っこでは舜太はイヤホンをつけ勉強をしている。
でも、見渡す限り仁人がいない、、、
嫌な予感がする、、、
佐「えっ?おい!仁人はっ!?」
塩・山・曽「えっ?」
皆んなで見渡すが仁人の姿はない、携帯もテーブルの上。
塩「さっきまで、、、いたはず」
そうだ、、、俺は肝心な事に気づいてなかった。
あんな写真や仕事の把握、、、身近なところにストーカーがいること。
そう、ストーカーはスタッフの可能性もあるってこと。
佐「っ!!探すぞっ!」
一斉に俺たちは探し回った。
佐「すいませんっ!仁人見なかったっすか!?」
ス「吉田さんですか?さっき⚪︎⚪︎君とあっちに向かってたけど。」
佐「ありがとうございますっ!」
俺は走って探していると、倉庫から漏れる声。
仁人のやめろって声が微かに聞こえた!
力いっぱいドアを叩くが鍵がかかっているのか開かない。
メンバーが集まり勢いよくドアを蹴破り、中に転がり込んだ。
その先に見えたのは男に跨がれ首を絞められる仁人の姿だった。
佐「なにしてんだ、テメェ!!」
ゴッ
俺は力いっぱい男を殴り倒した。
気絶をした、相手をまた殴りつけようとした瞬間だった、、、
曽「勇ちゃん!勇ちゃん!仁ちゃんがっ!!目を開けてくれへんっ!」
涙を浮かべ叫ぶ舜太、、、
俺は男を投げ捨て仁人にかけよった。
佐「じんとっ!じんとっ!目開けろよっ!!これからだろっ!俺と一緒にいてくれんだろっ!」
何度も声をかけるが目を開けない仁人。
太智と柔太朗が呼んだ警察と救急車。
男は連行され、俺は仁人と共に救急車に乗った。
病院に着くと運ばれて行く仁人の姿。
「呼吸停止!意識なし!」
「心マ開始して!」など、声が聞こえる、、、
俺は祈るしかなかった。
バタバタバタ
塩「勇斗!!仁人はっ?!」
勇「今、処置してる、、、心臓も、、、呼吸も止まってるって。」
柔「なんで、、、っ」
曽「いややっ!なんでっ!仁ちゃん戻ってやっ!」
勇「大丈夫だっ、だから、信じて待とう。」
時間が立ち先生が中から出てくる。
佐「先生!仁人はっ!」
先「一命は取り留めました。しかし、意識が回復するかはわかりません。」
ベッドには色々な機械に繋がれた仁人の姿。
佐「っ!じんとっ、、、戻って来てくれよっ。俺、お前いないと生きてけない。」
目が覚めたのはそれから数ヶ月後だった、、、
仁人side
吉『んっ、、、』
目を開けると白い天井が見えた。
独特な匂いに病院だとわかる。
佐「じんと?仁人!?」
吉『は、やと?』
佐「あぁ、、、よかったっ、、よかった。俺お前失うんじゃないかって。」
大きな体を震わせながら泣く勇斗の姿に、
俺は生きて帰ってこれたんだってホッとした。
吉『、、、あっ、、、』
声を出そうとしたが、首を圧迫された為か思うように出ない声。
そのかわりに、泣いている勇斗の頭を撫でながら笑顔を向けた。
佐「じんとっ、、、」
ふわりと抱きしめられる。
この人のそばにいるのが1番幸せだと実感した。
数ヶ月後、無事回復し退院できた。
後少し仕事は休業予定。
犯人は逮捕されたがトラウマを植え付けられた俺は思うように生活できなかった。
家は退去し、勇斗の家に住み療養している。
佐「大丈夫??はい、これ。」
コーヒー片手にやってくる勇斗。
吉『うん。勇斗がいてくれるから。』
佐「よかった。」
ニコッと笑う勇斗。
俺はこいつの隣にいればこのトラウマも克服できると信じて笑顔を向けた。