「ドライブスルーなんて」
どれくらい経っただろうか。
短い時間だったかもしれないし、もしかして長い時間だったかもしれない。
閉じていた目を開いた時、遠くで声がした。
だれかがデッキに出てきたとわかり、私は一気に現実に引き戻される。
(わ、私……!)
動きたくないと思っていたのに、体が勝手に飛びのいた。
慌てて目の前の手すりを掴み、あとずさるように横にずれる。
ちらりと 佐伯(さえき)を見上げると、呆気にとられたような顔でこちらを見ていた。
(も、もう、なにやってるの……!)
あのままでいようとした自分を引っぱたいて、目を覚ませと言ってやりたい。
逃げ出したい気持ちで後ろを向けば、柱時計が8時を指そうとしていた。
(えっ、もうそんな時間!?)
うちの門限は9時だ。
遅くなるなら連絡すればいいけど、それだとお母さんに捕まって、しつこく追及されるのは目に見えて************************
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