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ツグミとの再会から半年の時間が流れた。
僕は僕と呼ぶのをやめて再び俺と呼ぶようになった。右腕も元に戻ったし、藍原と同じ職場だった会社はやめた。リョウジの居酒屋でバイトで食いつないでいる。いわゆる心霊研究部から距離を置いていると言うわけだ。
何故か研究部から離れてから半年、藍原の姉のユリの魂いは俺にずっとついて来ている。話してもなんの反応もないが、何故か孤独感は感じない。
俺もなんだかんだ言って32歳になってしまった。オカルトの世界に浸かってから2年か早いものだ。
秋葉原の街は特殊だ、この街はかなりの能力者が潜んでいる。少し霊視をしてみると様々なオーラの持ち主が歩いている。
オタクと言われるものたちもその能力に悩まされ、人をさけ生きているものも少なくはないはずだ。
俺はドクからもらったメモ紙をみる。
「ここか。。。」
店の名前は「パラドックス」噂によると秋葉原がこういった街になってからずっとこの場所に佇んでいるいるという。店から電化製品ジャンク品が道路まではみ出していて店内は人が1人通れるくらいの通路、左右にはさらにジャンク品が並んでいる。
カウンターには、店員らしい男が水パイプをふかしている。
50代半ばくらいか痩せた体型に白髪混じりのロングヘア、丸い銀縁のメガネをしている。
俺という客がいるのに無言でパイプをふかし新聞を眺めてやがる。
俺はドクからもらったメモ紙をカウンターの男に差し出した。
男は一瞬俺の顔をみてメモ紙を手に取った。男はゆっくり立ち上がり、カウンターの横にある階段を上がっていった。
「こっちにおいで風間くん」
俺は声のする2階へと向かっていった。
2階からは薬品の匂い?そんな匂いがする。
2階に上がると1階とは全く違う骨董品のようなものが棚やガラスケースに並んでいる。
そして手術台のようなものがガラス越しに見える。
「初めまして、ドクくんから聞いているよ、私は兵藤です、皆はジレンマって読んでるのでジレンマって呼んでくれて結構だ」
「ジレンマさん、ここの物は?」
「さんはいらないジレンマでいいよ、ここの骨董品みたいなものは呪物って奴だ」
呪物って聞いたとこはあるがこんなものに囲まれて大丈夫なのか。手術台はタトューを入れることもしているようでその施術室があのガラス越しの部屋らしい。
「みんな、興味本意で購入するが、手に負えなくなってね、このパラドックスにもってくるだよ」
「大丈夫なんですか?」
「君の肌で感じていると思おうが、この部屋の空気はどうだね」
「不思議と特に違和感ないですね」
「この建物自体特殊な結界をはっているからね、これらも大人しくしててくれんだよ」
「では本題に入ろうか」
ジレンマはソファーに座り、コーヒーを啜りこう言った。
「君はこっちの世界で生きていく覚悟はあるんだね?」
「そう決めてここにきました」
「よしわかった、そしたらいくつかお手頃の案件があるからそれをこなしていってもらおうかかな。」
ジレンマは怪奇やミステリーの案件の元締めで、この間の花魁淵の案件なども、ジレンマがうけ、ドクに話がきたらしい。ということは政府のお墨付きの元締めということだ。
案件のファイルを探してくるからくつろいでいてくれ。
🌟次回予告🌟パリドックスのジレンマから初めての依頼を引き受ける事に、どんな案件なのか?
ご愛読ありがとうございます。
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