日帝視点
「ないち、っはいこれ、!!」
屈託ない笑顔を見せて少し歪なおにぎりのぬいぐるみをくれるパラオが、愛おしく思える
ただの昔のよしみでたくさん遊んでいるだけとは思えないようなプレゼントに、やっぱり俺は歓喜した
心の中だけで。
「ああ、ありがとう、パラオ」
「んへへ…」
俺のために裁縫を頑張って来てくれたのだ
そう思うと、にやけが止まらなくなる
指で口角をぎゅっと下げて、普段の冷酷?な顔に戻す
「パラオね、これね、おまじない込めたから…縫ったところ、絶対にとっちゃだめだよ」
おまじない…
少しばかり気になったが、俺はそんな好奇心で約束を破る国ではない
「分かった、約束する」
契約書の無い約束なんて、いつぶりにしただろうか
この笑顔を守るために、必ず約束は破らないでおこう
そう心に決めた
「じゃあねぇ、ないち~!!」
「ああ、じゃあな」
布団の横側に、貰ったぬいぐるみをぽんと置く
ぬいぐるみなんて触ったのは、いつぶりだろう
ちょっと不格好だけれど、パラオがくれたものならなんでも嬉しい
「陸~、こっち来て、ご飯~!」
「嗚呼、今行く」
空に呼ばれて部屋から出るとき、ぞわっと何かを感じた
だがそんなものは気のせいだと自分に言い聞かせる
それにしても昨日から…勘が鈍ったのだろうか
まぁ全盛期からかなり経ったからな…自衛隊として鍛えているが、間違いなく鈍っているだろう
それにしても海が作った飯は美味い
美味い美味い…とか言うあにめきゃら?が居たらしいが
そんなことどうでもいい
…というか、パラオがくれたあの人形
黒の部分になにか出ていたっけな…取った方がいいのかもしれないけど
パラオなりのアレンジ…??
なんだか考えるのが面倒くさくなってきたので、海の飯に集中することにした
ある時、ある場所
ちょっとしたものから零れ出る
声と、雑音
『陸__こっちっ_ん_』
ちょっとしたものから零れ出る
がさがさした、音
「…なんで、こんなことしてるんだろ」
ちょっとした声から零れ出る
潤んだ、弱音…
きちんと整理された棚から少しだけ飛び出た裁縫道具
上手くなれるように練習した雑巾や小さい布と一緒にあるけど、全部歪だった
けれど努力の形が良く見えていたのである
それは一体何のためだったのか…?
なんかもう意味わかんなくなってきましたわ
誰か助けてクレメンス
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