地球上の人類の皆さん、こんちゃっす。
僕は渡来みくら。現在115歳。
まあ、別に見た目は15歳とほぼ変わんないです。
何故か生きているだけだから、もうすぐギネスいけるんじゃないの?ってくらいにゆるく考えてるけど、100歳になったら見た目が0歳児に戻った僕は結構めんどくさい人間な気がする。
しかも、なぜか過去の自分に度々お願い事をされるようになってしまった。
今んとこ全部断ってるけど、これオッケー出したらヤバいんじゃないかい神様さんよ。
…あれ、また来てるな。
今日は15歳の自分がお願い事しに来てるみたい。
ん〜、そんなにたくさん来られるとさぁ、一回頼まれてあげたくなっちゃうじゃんよ〜。
しょーがないな、みくら様は優しいからね、やってあげますよ一回くらいは。
「こんちゃっす、未来の僕」
「こんちゃっす〜、過去の僕。今日は何の用だい?」
「えっとね〜、あの時のペアキーホルダーあったじゃんか、7人分でくっつくやつ」
「あぁ〜あれね?なっつかし〜。あれを取ってこいと。どこにあるか忘れたから?」
「お察しの通りでございますよ、未来の僕」
「いや〜自分でも呆れるほどに物忘れが凄いね僕はほんとに。まあいいよ、やったげる」
「やった~ありがと〜いぇ~い」
「忘れた側なんだから調子のんなよ〜」
うん、とても滑らかですね会話が。
なんでそんな違和感なく未来の自分と話せるんだよ、凄いな15歳の僕って。
でも、7人分でくっつくペアキって、やっぱあれ…だよなぁ。
「〜〜〜?」
「〜〜〜w」
「〜〜〜!」
「…あ゙あ゙あ゙あああああぁぁぁ!」
嫌だ、もう思い出したくもない、会いたくもない。
なのに、なんで、なんでぇっ…。
もう…嫌だ。いっそ、あの時の自分をっ、殺して…しまいたい…。
それでも、僕は15歳の自分のために探し物してるんだから、やめられないんだけども。
「あった…これか。…あははっ、懐かしいなぁ…」
さっきも、今も。『懐かしい』なんて強がってるけど、そんなことない。
あの、最悪の過去に見つかってしまったのが、恐ろしくてどうしようもない。
「はい、あったよ〜過去の僕」
「おぉ〜流石未来の僕。あざっすぅ〜」
「そして…ごめんね」
ザシュッ。
刃物が、過去の僕を切り裂いた。
犯人は、僕だ。
「…〜〜、〜〜〜」
「…はッ?っえ、なんっ…で…」
過去の自分の唇が、ゆっくりと動いた。それを見た僕の意識は、驚愕と共に消えた。







