「いいか!両手を首の後ろにまわし、全員そこの片側へ一か所にまとまれ!そこのお前!シャッターを閉めろ!少しでもおかしなことをしてみろ!ここにいる全員の命はないぞ!」
青ざめた顔で指示に従い、電動シャッターのボタンを押した、シャッターが降りる機械音が店内に響く
奥にいた重役銀行員はじめ、店内にいるものは、全員犯人達の目の前に一緒に集められた
ブラックと麗奈以外は
二人は窓口のデスクの下に麗奈と一緒に隠れて様子を伺っていた、いち早く犯人が発砲する前に、誰にも見つからずにこのカウンターに隠れ込んだのだ
ブラックのおかげだった
すぐ目の前の鏡の壁に犯人らしき人物達が映っている
顔を覆って目と口だけが開いているスキー帽をかぶった強盗犯は3人、いずれも機関銃らしきものを抱えている
この暑いのにご苦労なことね・・・・
ブラックは鏡に映る限りで素早く状況判断をする、いったい何人捉えられている?
けが人は?
外と中にいる警備員も捕まっている、みんな一塊となって捉えられている
五歳ぐらいの子供を抱えた母親らしき女性、そして女性が二人、中堅のサラリーマン風の男性が6人
銀行員が8人ほど最初に移動した、大学生ぐらいの青年が用心深く強盗犯を観察している
そして・・・一緒に来ていたSBCEのトレーナー仲間のレオがしかめっつらで頭に腕を組んで回している
今頼りになるのはコイツだけだ
強盗犯は銀行員に銃を向けた
「お前!」
銀行員は固まった
「金庫からこのバックに札束をかき集めろ!ここにある金全部だぞ!早くしろ!」
銀行員は黙ったまま強盗犯が差し出したバッグを受け取り、窓口へかけて行ったが、金をバックへ詰めながらもチラチラ目を上げて状況を観察していた
ゆっくりノロノロともたついているフリをして金を詰め込んでいる