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なかなか肝の座った青年だ、ブラックは感心した、頭もよく、落ち着いているおかげで状況を観察し考える時間が出来た
あの時麗奈をうっとり見つめていると、後ろの鏡越しに強盗犯が入ってきたのをブラックはきっと誰よりも早く見つけれたのが幸いだった
まずいと思った瞬間、強盗犯は機関銃をぶっ放した、幸い麗奈とこのカウンターの下に避難したのは、誰にも見つからなかったようだ
一緒に来ているレオ以外は、レオは自分がここに隠れているのは知っているはずだ
そして今はレオは強盗犯を睨みつけてはいるが、一応大人しくしている
銃を手にした強盗犯は全部で三人、どれも本物としても扱いなれている様子ではない
スキー帽のくりぬき穴から覗く目は絶えず左右にキョロキョロ動いている、銃を持つ手もかすかに震え、逃げ出したい衝動を抑えるように足踏みし続けている
―ちょろいわね―とブラックは思って緊張を緩めた
とそこに麗奈の体がガタガタと震えているのに気が付いた
ブラックは麗奈の耳元にかぶさる髪をそっとかきあげ、口を近づけて小さな声で囁いた
「いい子ね・・・大人しくしていてね・・・・大丈夫だから 」
「どうなってるの?」
麗奈の声は不安にかすれていた、ショックで体の震えが止まらない
無理もない女性でこの状況は十分恐ろしいだろう、普通なら叫び声をあげてもいいほどだ
しかし彼女は自分の声を聞き、取り乱すことはなく、ただ小さく震えているが極力静かにしている