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dom/sub
kyord
rd
いつからか、何でもかんでも酒のせいにする癖がついていた。
「レウさんたち来ねえな〜⋯」
今から起こることも、たぶんこれからも、きっと酒のせいだ。
***
kyo
今日はらっだぁがレウさんたちと飲みに行くらしい。
聞いたところによると、レウさんとコンちゃんのダブル社畜が珍しく有休中。
この際ヤケ酒しようぜとらっだぁを誘ったという。
何週間か陽の光を浴びていないどりみーを引きずって来るそうだ。
「じゃ、いってきまーす。」
「ん、気ぃ付けてな。」
俺は仕事で行けないが、らっだぁが楽しんでこれるなら良いだろう。
「きょーさんも仕事頑張ってね。」
「お前の分まではやらんからな。」
「つれないねぇ。」
「ちゃんと門限守って帰ってこいよ。」
「はいは〜い。」
この男と同棲を始めて、はや数年が経とうとしている。
もはやこんな注意も必要ないかもしれないが、交際相手として心配なものは心配なのだ。
特にコイツに関しては、何かと気にかけたくなってしまう。
ふらふらと自由気ままに、誰とでも仲良くなるような不思議な男。
感情が乗らない声とは裏腹に、へらっと笑うフレンドリーな性格。
そして時たまに見せるまっすぐな碧い瞳。
しかも背はそこそこあって、顔も良いと来ている。
おまけにコイツはsubなのだ。
こんなにも無意識に人を惹きつけるような人間がいるだろうかとよく思う。
俺も例に漏れずというか、そんなところが好きになったのだが、まあコイツは何に対してもふわっとした感性をしていて、ずっとコイツのことを見てきたにも関わらず未だに何を考えているのかよくわからない。
今までも何度か門限を破ったことはあったし、約束や予定を忘れたことなんて数え切れないほどだ。
それでもまだ関係を続けているのは、やはりコイツの持つ得体の知れない魔力のせいだろうか。
⋯まあ、門限を過ぎたらその時はその時だ。
どうなるかは、らっだぁが一番分かっているだろう。
***
rd
「おーい、らっだぁ!」
夕暮れの街に、久々に聞くあの声が響いた。
顔を上げれば、すぐそこに背の高い緋色の声の主と、その腕に抱えられた緑色の男。
「あ、やっと来た。遅いよ鈴木〜。」
「レウな!!」
お決まりのツッコミを聞いて、少し安心する。
ああ、コイツもなんも変わっていないんだな。
「なんでこんな遅れたん?」
「どりみーが自分で歩いてくれないから⋯」
「歩ケナイ⋯」
「何週間外に出てないんだよ。コンちゃんは?」
「いるよ〜。」
「うわっ!?⋯びっくりした。背後取るのやめてっていつも言ってるじゃん。」
「そんなに驚かすつもりなかったんだけど。」
背後から聞こえたのんびりとした声に思わず振り向けば、紫色のスーツ姿がニコニコと笑っている。
今日はこのメンツでの飲み会だ。
きょーさんが同席できないのは残念だが、こうしてこの社畜どもと社不に会えたことが嬉しい。
普段は会えないどころか連絡すらつかない日がほとんどなのだ。
それに俺はsubだから、きょーさんにあまり外出するなと言われている。
コイツらはdomだが、俺に命令したりすることは無いしきょーさんにも信頼されているので問題ない。
というか、この限界社畜どもと引きこもりの社不に俺を襲うほどの体力は無いだろう。
「じゃ、店入るか。」
「お、この店久しぶりに来た気がする。」
「そもそもお前ら社外に出るのが久しぶりだろ。」
「いや、みどりくんよりはマシな暮らししてるよ?」
「俺ト比ベルノガ間違イ。」
「みどりにも社不の自覚があるんだ⋯」
わいわいと軽口を叩き合いながら、アルコールの匂いで満ちた店内へと入っていく。
今夜はヤケ酒だーとレウさんとコンちゃんが拳を上げる。
それに合わせてみどりの腕を持ち上げて、自分の腕もついでに上げた。
みどりは席に着いて早々に寝る体制に入っている。
コンちゃんが焼酎頼むかぁとか言い出して、レウさんに慌てて止められた。
時間がゆったりと過ぎていく。
「〜〜それでさ、〜〜〜。」
「マジで?〜〜〜w」
「〜〜〜〜〜!」
あぁ、久しぶりだな、この感覚。
こうやって、みんなで好き勝手に色々喋ってる時間が本当に楽しくて、
それで、
「⋯あ、もうこんな時間かぁ。」
「らっだぁ門限大丈夫そう?」
「⋯⋯っあ、⋯やべ。」
反射的に時計を確認して、一気に酔いが覚めた。
現在、12:25。
門限は11時。
とっくのとうに過ぎている。
「早ク帰ラナイト、キョーサン怒ルヨ。」
「ごめん、俺帰るわ!お金置いとく!」
「はーい。気を付けて帰れよ〜。」
まずい。
非常にとてつもなくめちゃくちゃまずい。
前にも門限を破ってしまったことはあったが、今回はその比ではない。
普段あまり怒らないきょーさんだが、約束を破った時は本当にやばいのだ。
「⋯⋯⋯どうしよ、w」
家に着いたらまず土下座して謝罪して褒め称えて怒りを鎮めよう。
たぶん許されないけど。
何も言わないほうが余計にこじれるに決まっている。
とにかく、早く帰らないと、
***
rd
はぁはぁと息を切らしながら、ドアノブに手をかける。
現在の時刻は1時過ぎ。
「⋯ただいま、」
家の中はもう暗く、周りがよく見えない。
きょーさんはもう寝てしまったのだろうか。
「きょーさん⋯?」
「なんや?」
「わ゛ぁっ!?、むぐっ、」
「静かに。もう1時やぞ。」
真横から声がして、反射的に振り向くと、そこにはきょーさんの姿。
驚いたのもつかの間、口を塞がれ目隠しをされて、おまけにお姫様抱っこで運ばれてしまった。
やばい、これかなり怒ってるんじゃ⋯
どさりと落とされた感覚。
塞がれていた口と目が開いたと思えば、そこはきょーさんの寝室だった。
「⋯で?なんでこんな遅くなったんや。」
「えっと、」
きょーさんから静かな怒りが伝わってくる。
首筋に汗が流れる。
「⋯あの、飲みすぎて時間忘れてました。」
「せやろな。それで?」
「この度は誠に申し訳ありませんでしたっ!!!」
光の勢いでベッドの上で土下座をする。
けれど、返ってきた声は冷たい。
「⋯なぁ、なんで俺がこんな怒ってるんか分かるか?」
言葉とともに、きょーさんの手がこちらに伸びてくる。
鎖骨を撫でられて、思わずびくりと身体が跳ねる。
「んっ、門限、破ったことっ?」
「それと?」
「っあ、それとっ、?」
きょーさんが溜息を吐く。
「⋯Roll」(仰向けになれ)
「ッ、あ、きょーさ、」
「⋯俺を心配させたことやろっ⋯!」
きょーさんが俺に覆いかぶさる。
いつの間にか服は剥がされていて、嫌でもこれからどうなるかがわかった。
恥ずかしさと罪悪感で泣きそうになって、思わず目を逸らす。
「Look」(目を逸らすな)
「ひあ、っうぅ、」
「⋯なあ、そんなに楽しかったか?」
「っへ、?」
「俺のこと忘れるくらい楽しかったんか?」
「や、ちがっ、」
「Stop」(動くな)
「ッあ、」
命令で動けなくなった俺のうなじに、きょーさんの歯が近づいてくる。
肌が焼けるような快感に包まれて、俺の記憶は途絶えた。
***
kyo
ぼんやりとしたシェードランプの明かりに照らされた部屋に、水音と媚声が響く。
「イった、っあ゙ぁッ!♡あぁ、んっ♡!」
「っはぁッ、そんなに気持ちええか、?♡」
「んん、イきゅ、!♡またイくかりゃ、ん、っあ、あッ!?、ッ〜〜〜♡♡♡」
あれから何時間が経ったのだろうか。
目の前には、俺のモノに善がって艶っぽい声をあげるらっだぁがいる。
白く線の細い肌にはキスマや歯型が至る所にあり、びくびくと快感を感じ取ってはその腰が跳ねる。
「俺がどんだけ、寂しかったと思ってんねんっ⋯!」
「やら、っあぁ、んッ♡、イってりゅ、あ、やりゃっ!♡っん、っはぁ、っ〜〜!♡」
俺の声が聞こえているのかいないのか、何か言うたびに必死に首を縦に振る姿が愛おしい。
愛おしくて、だからこそ、もっと俺のものにしたい。
らっだぁからの愛が欲しい。
愛してあげるから、俺を愛してほしい。
俺の中でそんな感情が渦巻いていて、それが煽情的ならっだぁの嬌声で加速する。
こんな気持ちを依存と言うのだろうか。
「きょーさ、っあ、もっとッ♡っあ、!♡あぁ♡イぐっ♡んあ、っ〜♡♡」
「ッ、欲張りやな⋯!♡」
それでもいい。
今は、コイツの飲んできた酒のせいにしておきたい。
こんな気持ちを抱くには、俺にお前は似合わないから。
俺は、お前の隣にいることしかできないから。
だから、
まだ、
まだ、俺に愛されてくれ。
***
rd
「い゙っ⋯たぁ⋯⋯」
腰が痛い。
眩しい朝陽に気がついて目を開けば、第一に感じたのはそれだった。
隣ではきょーさんがまだ寝息を立てている。
「コイツ〜⋯」
結局あのあとどれくらいヤっていたのだろうか。
バキバキの腰からして、たぶん3時間は軽く過ぎている。
「⋯やりすぎでしょ、これ。」
確かに門限を過ぎた俺も悪かったが、流石にこれはきょーさんにも非があるだろう。
そう思いながらきょーさんの寝顔を見つめていると、ふと昨夜の記憶が蘇る。
⋯だいぶ恥ずかしいことをしていた気がするのは記憶違いだと思いたい。
それでも、
「⋯きょーさん、好き。」
まだ胸に残るアルコールと曖昧な記憶の中で、これだけは確かだ。
いつもなら恥ずかしくて言えるはずもないけど。
これも、酒のせいにしてしまおう。
愛してほしいから。
その快楽に、溺れていたいから。
俺じゃなくて、酒のせい。
隣にいることしかできない俺が、愛される方法。
だから、
「⋯計画通り、♡」
これからも、きっと全部酒のせいだ。
End。
お互いに愛されたいから愛してるって感じで共依存しててほしいなって思って書いた話。
今回あんまりRシーンなかったですね…
きょーさんもらっだぁさんも、相手の前だと格好つけるけど実は嫌われたくなくて、みたいな。
あんまdom/sub関係なくなっちゃった🤔
何でもかんでも酒のせいにしてるのは私の書き方かもしれない⋯。
シチュエーションが思いつかなくて困るんですよね、その結果大体酒のせいにしちゃうんですよ。はい。
リクエスト大歓迎ですので、ぜひ皆さんの見たい作品を書かせてください!!!
というかリクエストめちゃくちゃ欲しいですお願いします(強欲の壺)
コメント
7件

共依存だっっいすき!ありがとうございます😊😭😭
ウワァァァァァァァア‼︎きょ、共依存……!めちゃ最高です~‼︎(*´꒳`*) あ、り、リクエスト……い、いいんですか!?ぺんらだの配信ぷれいできたらお願いします~!
リクエスト失礼します! レウらだで壁尻みたいです!