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ら様
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2人が辿り着いたのは小さな丘の上の公園だった。
ベンチの上には、コンビニの小さな袋と小さなケーキの箱が置かれていた。
🤍「え?」
🤍「これって…」
🩵「誕生日おめでとう。」
その瞬間、來亜の胸がじんわりと熱くなった。
今までの貰ったどんなに豪華なプレゼントもこの瞬間の前で全て霞んで見えるくらい目の前の小さな贈り物は輝きを放っていた。
「どうして?」と來亜が問いかける前に柚葉が照れくさそうに話し出した。
🩵「いくら鈍感って馬鹿にされる私でも來亜が浮かない顔をしていることは分かるよ。」
🩵「…泣かないで。」
🤍「…だって覚えていてくれるなんて思わなかったから。」
🩵「大切な人の1年で1番大切な日を忘れるわけないよ。」
柚葉は照れ隠しのように笑いながら、ポケットから小さな箱を取り出した。
中には、銀色のネックレスが入っていた。
🩵「來亜が持っているものよりも大分安物だけど…」
🩵「私こういうの疎いから流行りとかは分からないけど、來亜に似合うものを一生懸命探したんだよ。」
🤍「…柚葉ってほんとずるい。」
🤍「着けてくれる?」
🩵「うん。」
來亜の首元に輝くネックレスは月の光を反射して輝いていた。
風が2人の頬を撫でてケーキに立ててあるロウソクがふわりと小さく揺れた。
🩵「お願い事、する?」
🩵「…あ、でも今日いっぱいケーキ食べてるしお願い事もしてるよね、」
🤍「これは特別な願い事だから。」
どうかこの時間がもう少しだけ長く続きますように。
そう願いながら來亜がロウソクの火にそっと息を吹きかける。
火が消えた瞬間2人の影が一瞬、夜の中で重なり合った。
ケーキを食べ終わる頃には誕生日が終わるまで残り数分となっていた。
🩵「もう少しだけ一緒にいない?」
🩵「、お家まで送らせて。」
🤍「変なところで真面目だね。笑」
🩵「理由がないと困らせてしまいそうだったから。」
揶揄いながらも來亜は柚葉の提案に頷いた。
公園から來亜が暮らす宿舎まで歩いて15分ほど。
途中、辺りを照らす街灯が途切れ途切れになって2人の足音が静かな世界の中でやけに大きく響いた。
🤍「ねえ、本当はびっくりしたの。」
🩵「何が?」
🤍「誕生日のこと柚葉には一言も言ってなかったから。」
來亜の言葉に少しだけ目を見開いた後、口を開きかけて途中で止まった柚葉は何を話そうか悩んでいるようだった。
🩵「來亜が誕生日なのはみんなが盛り上がっていたから分かってた。それに…」
🤍「それに?」
🩵「初めて会った時に調べて覚えたし。」
🤍「ふーん…じゃあ美咲の誕生日は?」
🩵「え?えっと…」
明らかに狼狽えた柚葉はしばらく悩んだ後、観念したかのように息を吐いた。
🩵「本当は気になって來亜だけ調べたの。」
🤍「、私だけ?」
🩵「そうだよ。」
一瞬、來亜の胸が高鳴りを覚えた。
でも柚葉は強引に話題を変えるようにすぐに笑った。
🩵「夜も遅いから早く行こう。」
來亜の手を引いて宿舎までの道を少しだけ早歩きで歩き出す。
これまで知らなかった柚葉なりの照れ隠しの仕方に愛おしさが溢れそうになる。
宿舎に着いた頃には日付は変わっていて、特別な日はもう来年までお預けになっていた。
🤍「寒いし上がってく?」
🩵「ううん、もう遅い時間だからみんなの迷惑になっちゃう。」
🩵「今日は帰るね。一緒に過ごしてくれてありがとう。」
🤍「あ、待って!」
踵を返して来た道を戻ろうとした柚葉の腕を慌てて引く。
柚葉の瞳に映る來亜は今まで見てきたどの表情よりも嬉しそうだった。
🤍「誕生日って沢山の人のおめでとうより、たった1人の好きな人と過ごす方があったかいんだね。」
🩵「…そうだよ。」
🤍「ありがとう、柚葉!」
🤍「これ大切にする。もちろん、今日の思い出も。」
首に下げられたネックレスを手に取り軽くキスを落とした來亜を見て、柚葉は顔が赤くなっていくのを感じた。
それでも今日、正確には昨日だけれど彼女の特別な日くらい素直にならなければならない。
恥ずかしさをグッと堪えて來亜へと向き直る。
🩵「來亜!」
🤍「ん?」
🩵「世界で1番可愛いよ。大好き。おやすみなさい!」
これが今柚葉のできる精一杯の愛だった。
言い逃げするかのように走り去っていく柚葉を見てへなへなとしゃがみ込んだ來亜。
🤍「…やっぱりずるすぎるでしょ、」
心臓が跳ねて、時間が止まったかのようにその場で動けなくなる。
生まれたあの日も同じように煌めいていた空の星が來亜を包み込むように光り輝いていた。
end.
コメント
1件
ゆあ。ちゃん、第2話読み終えたよ〜〜!!🌸💕 公園のサプライズ、もう胸がぎゅってなった😭💖 「覚えてるわけないと思った」って來亜のセリフ、めっちゃ刺さる…。 柚葉が「來亜だけ調べた」って照れながら言うとこ、ずるすぎるでしょ!!🤦♀️💘 最後の走り去る柚葉と、しゃがみ込む來亜の対比がエモすぎて叫んだわ。 こんな誕生日、絶対忘れないね…。 ゆあ。ちゃんの紡ぐ空気感、ほんと好きです。続きも楽しみにしてるよ⋆♡