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空中散歩は好き?
「へ?」
答える暇もなく、すぐに女に抱き抱えられ空を舞う感覚を感じる。
「う、わぁぁぁぁ‼︎」
さっきまで意識が朦朧としていたのに、まるで眠気が一気に覚めたかのように身体中の感覚がはっきりしている。空中から見ると、さっきまで紡が横たわっていた場所の周りに黒い服装の数人が何やら作業をしていた。もうあの暗い液体はいなくなっていた。
「んで、家はどこかな?」
空を飛ぶという初めての感覚に振り回されながらも、なんとか遠くなった地上を見て家を探す。場所はきっとこのあたりだ。線路があって、踏切の近くに、、、
「あ、あああれです!!あの庭にいろいろ花がある家!」
「りょうかーい。いい家住んでんじゃん」
そして急降下。
「あ、ぁあああぁ!!」
ストン
「とうちゃーく!着陸成功しました!」
「おいおい、坊主震えてるぞ。お前はほんとに人使いが、、、」
「はいはい、さ、なかはいんぞー」
「ハーッ、ヒーッ」
ピンポーン ガチャ
「もう、あんた一体何してーー」
出てきたのは40代後半くらいの優しそうな女だった。
「あ、ら ごめんなさい、どちらさんで?って紡!どうしたの!」
女は傷だらけで抱えられている紡に駆け寄った。
「あ、あなたたち!うちの子に何を、、、!」
少し背の高い女、普通よりもだいぶガタイがいい男、その二人に疑いの目を向ける。お前たちがやったのか、と。
「あぁ、違いますよ〜。私たちは助けたんですよ。」
女がにこやかに言った。
「助けた、、、?一体なにから、、、?」
「おかあさん、この世に神がいることはご存知ですか?」
「まあ、はい。」
「何度かニュースで見たことがあると思いますが、神の中でも『神堕ち』というものがこの世には存在します。そしてそれらは我々人間に危害を加える。息子さんはその『神堕ち』に襲われたんです。」
紡の母である女は疑いの目を驚きの目に変えている。
「そんな、、、ほんとに『神堕ち』は存在しうるものだったの、、、」
「そこで息子さんについて大切なお話があります。家にあげていただけますか?」
「、、、わかりました。」
あまり納得はしていないようだったが、紡の母は中に入れてくれた。
「失礼だが、旦那様は?」
体格のいい男が聞いた
「主人は東京の方に出張中でして。それで大切な話とは?」
次に女が答える。
「はい。まず初めに私たちはこういうものです。」
そう言って二人は名刺を取り出す。横に座らされた紡とその母が文字を見る。
神殺し能力所持者
対馬 宇奈 田森 武蔵
この者らは方に基づき、神殺者とする。
「聞いたことはあると思います。神殺者。」
「ありますけど、、、これと紡になんの関係が?」
「ここに神殺し能力所持者とありますね。息子さんがそれなんです。」
(神殺し、、、能力、?)
紡はグラグラする頭で一生懸命考えた。たしか、法律でその力を持った者はー。
「強制にはなってしまうが、そちらの息子さんには明日からうちで働いてもらう。」
田森と思われる男はぶっきらぼうに言った。
「は、はぁ!?ちょっと待ってくださいよ‼︎うちの子をいきなりそんなよくわからないところに入れるなんて、、、!そんなことできません!」
(おばさん、、、そんなに僕を大事に思って、、、)
紡は場に合わずそんなことを考えた。すると対馬が、
「申し訳ありません、お母さん。これは法律で決まっているものでして、したがっていただけない場合、神殺し能力所持者は安全とは言い切れないため、結局はこちらで管理させていただくことになっているんです。」
「そんな、、、まだこの子は高校生ですよ、?」
「仕方のないことだ。息子さんは預かる」
「ということで!この契約書にサインお願いします!」
「そ、そんな、、、紡、どうする?」
困惑の目で母が痛みに未だ顔を顰めていた紡に聞く。
「え、あぁ、僕は、、、」
第二話🔚