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サイド キリ
パン、と赤いジャージの少年が手を叩いた。
「よし!キリが新しく入ったことだし、俺らも自己紹介するか!!」
ああ、そういえば私、ルネ以外の名前知らないや。(それも、盗み聞きした)
勢いよく立ち上がって、赤いジャージの少年は手をあげる。
「俺はキノっていうんだ!入団番号は1番で、この団の団長をつとめている!!中学3年生だ!」
ってことは、私の一つ上?!最初は小学生かと思ったんだけど……。
「わ、私は田江 結花(タエ ユイカ)っていいます。……名前はあんまり好きじゃないから、タエって呼んで欲しいな……。入団番号は2番で、い、一応キノとは同い年です…」
水色のワンピースの少女はか細い声でそう言った。
「俺は森脇 真緒(モリワキ マオ)っていう。高校2年で、今のところこの団の最年長だ。入団番号は3になる」
黒いパーカーを着た青年はそう言った。
「マスクしてるのは?風邪かなんかなの?」
この人だけマスクをしていたので、私は気になっていたんだけど……。
「これは、トレードマークだと思ってくれ」
そ、そっか…。
「最後に、俺の名前は高橋 流音(タカハシルネ)。ルネでいーよ。高1でこの団の中で唯一学校に行ってるよー。今はキリちゃんがいるから唯一ではないかもだけど。入団番号は言わなくてもわかるよね?」
うん。流れからいうと4番だよね。
えっと、まとめると……。
1番・赤いジャージ⇨キノ
2番・水色のワンピース⇨タエ
3番・黒いパーカー⇨マオ
4番・オレンジ色のTシャツ⇨ルネ
私・白いTシャツ⇨キリ
ってことかな?
「全員私より年上なんだね」
敬語とか使わなきゃだめかな?
「あー、上下関係とかないから。ふつーに話とかしたほうが楽しいし」
ルネがそう言った。この人、本当に私の心の中読んでるんじゃ……ない、よね?
でも敬語無しはふつーに嬉しい。
「それじゃ、これからよろしくお願いしまーす!」
「あ、キリこれ!」
ひゅっとキノが私に何かを投げた。
「えっ、わわっ……!」
受け取ってそれを見てみると、キノが投げたのは白い帽子と少し小さめのスマホだった。
「もうキリも俺らの仲間なんだからな!」
これがこの団の一員になった証なのかな?
すごく、嬉しいな。
これから何かが始まる予感がするよ!!