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???「うーん..……お昼の後の体育は最悪ね」???「そうだねぇ〜サボろうかな」
「雨花」と「桃時」は体育のことで悩んでいた。
桃時「サボりはダメよ。あんた体育の単位やばいんでしょ?」
雨花「な、なぜそのことを….?」
桃時「兎白から聴いてんのよ。あんたのサボり癖は兎白が把握してるわよ」
雨花「そ、そんなぁ!」
雨花と桃時が話していると……
「ちょっと聴いてよ!私の体育着盗まれたの!!」
「うっそ!本当に?」
「どこで盗まれたの?」
「更衣室あるでしょ?そこに置いておいて、トイレから戻ったらなかったの!!」
「え?てことは更衣室にも無断で入ったってこと?!」
「まじキモイ」
「紅葉先生に相談しよ!」
体育着を盗まれた女子とそのお供を連れて、職員室に向かった。
雨花「まだ盗まれたって決まったわけでも、犯人が男って決まったわけでもないのに。大袈裟だな」
桃時「あっそういえば美術の課題提出しないといけないんだったわ。まだ体育始まるまで時間あるし、一緒に行きましょ」
雨花「うん〜良いよ〜!」
雨花たちも職員室に向かった。
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「私の体育着が盗まれたんです!!」
???「そうなの?何か心当たりとかある?」
「紅葉先生」は体育着を盗まれたという女子たちと会話していた。
桃時「はいどうぞ」
???「おぉ!確かに受け取った!ごくろんさん」
同じく職員室で桃時から美術の課題を渡された「紅蓮先生」
紅蓮「桃時さんは絵が上手いなぁ」
桃時「こいつほどじゃないですよ」
雨花「いやぁ〜それほどでも〜」
桃時「嫌味よバカ野郎」
そこへ……
「そういえば私、更衣室の方歩いていった人知ってる!」
「え?誰?」
「それは……」
「「紅蓮先生よ!」」
紅蓮「ん?今何か呼ばれたか?」
桃時「女子に呼ばれるなんて中々ないことじゃないですか〜」
雨花「でもあんまり良い事じゃないんじゃない?」
桃時「え?……うわっ!」
女子たちが押し寄せてきた。
「先生。この子の体育着盗みました?」
紅蓮「え、え!し、知らない知らない!ホントに!知らないって!!」
「何で盗んだ人の焦り方なんですか?」
「まぁ今は証拠がないし、とにかく今は探そう」
「うんそうだね」
「失礼しました」
女子たちは職員室から出て行った。
雨花「(きっとわたしたち以外の女子たちに話しかけられて緊張したんだろうな)」
雨花だけは、紅蓮先生の先程の話し方の意味を知っていたのだった。
紅蓮「(いや、待てよ..……そういえば俺が更衣室の近くを通った時、男の妖怪が体育着が入ってそうな女の子ものの巾着袋を持ってってたな)」
「よし」
「「あの妖怪を追おう」」
雨花「…………」
桃時「早く行くわよ。雨花」
雨花「……ちょっとトイレ行ってくる〜」
桃時「早くしなさいよ〜」
雨花「はぁーい」
雨花も紅蓮先生を追うことにした。
紅蓮「確かこの中に入っていったような……」
「やめろ!!」
紅蓮「!」
紅蓮先生が開けようとしたドアの前に立ちはだかったのは、妖怪だった。
紅蓮「この中に体育着を盗んだ犯人がいるんだな?」
「頼む!俺たち兄弟は……特に兄貴は、女子と関わりたくて、でも関わり方が分からないから女子の私物で慣れれば話しかけられると思って……」
紅蓮「女子と関わりたい気持ちは大切にすれば良い。でも人の物を盗むのはダメだ。俺は教師だからな。一応生徒であるお前ら妖怪を指導しなくちゃいけない。」
「……じゃあドア。開けてやるよ」
紅蓮「あぁ」
妖怪はドアを開ける。すると……
紅蓮「だ、」
「「誰もいない?!」」
紅蓮「おかしいな。体育着はあるし。おい妖怪……あれ?いない!?あ」
紅蓮先生の前には顔を真っ赤にした先程の女子たちとやれやれ顔になった紅葉先生がいた。
「やっぱり……あんただったのね!!さっきすごく慌ててたし!このクソ教師!!」
紅蓮「ち、違う!!俺じゃなくて妖か……」
《頼む!俺たち兄弟は……特に兄貴は、女子と関わりたくて》
紅蓮「…………」
紅蓮先生はしばらく黙ると……
紅蓮「すみませんでした」
「この最低教師!!」
「まじ最低!!」
「ホントきっも」
紅蓮先生は罵声をあびせられた。
紅葉「あなたたち。この先生の処断は私がちゃんとやるから、もう授業に行きなさい」
「はーい……」
女子たちは退出した。
紅蓮「…………」
紅葉「あんたの処断は……」
「職員室の戸棚掃除」
紅蓮「..……え?それだけ?」
紅葉「私の目を侮るなかれよ」
紅蓮「どういう意味だよ?」
紅葉「さぁ!パパっとやって来て」
紅蓮「あ、あぁ」
雨花「似たもの同士だなぁ」
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紅蓮「ふぅ……すごい小さな棚なんだよな……全然難しくないし」
あの妖怪は俺の願いを聴いてくれた
聴いてくれたのは俺の言葉が響いてくれたから
……かもしれないな
自惚れだと想うけど
体育着を盗んだ兄貴の方にも
伝わってると良いな
女子と関わりたい気持ちを
捨てる必要はないって
あいつらが女子と関われるようになれると良いな
そうなったら良いな
雨花「紅蓮先生〜」
紅蓮「え?雨花さん?」
雨花「わたしも掃除手伝いましょうか?」
紅蓮「ホントか?!助かるぜ!」
雨花「……そういうところですよ」
紅蓮「?、何か言ったか?」
雨花「いいえ。何も」
戸棚掃除は、雨花に手伝ってもらったおかげで早く終わったそう。
そして、密かに紅蓮先生は某妹から好感度が上がり、某生徒から信用度が上がったそうな。