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「……よし…仕事に行くか」
ダレイがいる場所はいつもの自宅
昨日BARから家に帰ってきたのだ
あの後、特に命を狙われている訳もなく、仕事を休み続ける訳には行かなかったダレイは今日から刑事として動く事にしたのだ
_危機は迫る__🥀𓈒 𓏸
ダレイが事務所に着くと、ノアが大声をあげた
「ダレイ〜!!もう来れるのか!おはよう!」
ダレイという名前に事務所にいた全員が一斉に彼の方を見て挨拶をしてくる
ダレイが席に着くと、隣に座るノアに声をかけた
「おはよう…出張はどうだったんだ?」
「最悪だったよ…飯の集まりに酒死ぬほど飲まされた…」
薬を飲みながらノアは嫌なことを思い出すように不機嫌顔になる
前に聞いたことがある、ノアは自分で飲める酒の加減を調整出来ると
だからノアが泥酔になることは珍しい
偉い方の集まりなら別だが…
「ほう…大変だったな…それで?」
「気付いたらレオンくんに電話してた」
「お前…よりによってレオンか…しかも泥酔状態でか」
「いや…意外と……」
ノアは何か言いかけたが、話を中断し無言になる
「……?なんだ?」
「なんでもなーい!仕事しなさいダレイ」
「お前から話を持ち出したくせに…」
ダレイ達の仕事場の前は多くの人が仕事に行き来してる姿が見える
その中に黒い帽子を被った怪しげな影が見える
手元には長細い形の小包が握られている
人混みに紛れ、影の姿はプツンッと消えた
(…もうこんな時間か…)
仕事をやるとあっという間だ
そろそろ昼休憩の時間,ノアは横でイヤホンをつけながらパソコンで街の様子を観察している
「ノア…そろそろ昼行くか?」
「え…?……お、おう」
ダレイはノアを連れて、事務所を出た
廊下を出て、食堂へ行こうとすると途中レオンとバッタリ出会う
「!!ダレイ先輩!!いらしてたんですか!?」
驚き声を上げてダレイをメガネ越しに見つめる
「あぁ。今日からだ」
「成程、お疲れ様です!お食事ですか?」
「丁度そうだ、レオンも来るか?」
「……いえ、まだ仕事が…」
レオンは言葉を言いかけたが、ノアとぱっちり目が合う
その様子にダレイは気付かない
「……ではお言葉に甘えて」
食堂に着くと、ダレイは席に座る
だる絡みされるのが分かっているレオンはノアを対面席に押し込み隣に座らせないようにした
「お前ら…食堂くらい静かにしたらどうだ?」
「うわ〜レオンくんに虐められる〜」
「静かにしてて下さい、目立つでしょう??」
それぞれ食堂のメニューを食べ始める
その間お喋りノアはダレイに話しかける
「ダレイ…なんか変わった?」
「…どういう事だ?」
「いやなんか…前まで昼飯なんて絶対誘ってこなかったのにさ…レオンの時だってお前から誘うの珍しいし」
「……気まぐれだ」
「まさか……彼女?」
ノアの突然の発言にダレイとレオンは食べていたものを詰まらし、咳を混む
「あらら…息ぴったり」
「お前な…俺に彼女なんて……」
「なんだ?ダレイ、いつの間にか彼女できたのか?」
突然声が聞こえたと思いきや、食堂がざわつき始める
ダレイたちの席に普段食堂に来ない課長がプレートを持ちながら立っていた
「課長…!?」
「ここ、座っていいかしら?」
「どうぞ」
空いてるダレイの隣に課長が座る
課長は目の前に座るレオンとノアを見つめると静かに微笑む
「すっかり仲良し」
「いいえ、そんなことありません」
「あざっす」
噛み合わないふたりの言葉に何も言わず
課長がクイッと水を飲むと、サラサラの髪がダレイに向けられる
「お前…彼女出来たのか?欠勤中に」
課長が質問すると、
ダレイ以外の2人も答え始める
「誤解です。居ませんよ」
「居るっらしいっす!!課長!」
「居ないらしいですよ」
「……ダレイが3人もいたわね」
静かにご飯を食べ始める課長を置いて、
3人は言い合いを続けた
ノ 「お前!生活面でも優秀になろうとするなよ!」
ダ 「勝手に解釈するな」
レ 「ダレイ先輩本当ならおめでとうございます」
ダ 「レオンお前今居ないって言ってなかったか?」
レ 「ダレイ先輩も女性の一人や二人…」
課 「レオン…お前は優秀だと思っていたのに…」
レ 「!!」
ノ 「やるね、レオンくん。課長に怒られちゃって」
レ 「……てノア先輩に教わりました」
課 「ノア、本当か?」
ノ 「はぁっ!?俺!?」
ダ 「とにかく…出来てもないしそんな方もいない」
課 「では早く作りなさい」
ダ 「え?」
その後も、戻ってきたばかりのダレイを弄り、ふざけ合いながら食事をしたのだった
外ではバイクの音,が大きく響いた
「……ッ」
バイクに乗っているのはマイク
ヘルメットを付けながらかなりのスピードを出していた
後ろからは黒い大きな車が後を追いかけている
中の人はマスクをつけており、数人はいる。手元には拳銃が握られているが、拳銃を打ったりはしない
しかし車の中にいる男は拳銃を持った男を怒鳴る
「何をやっている!奴を殺せ!!」
「しかし…!スピードが早すぎます…!当たりません!!」
「タイヤを狙え!!必ず逃がしてはならん!!」
男が拳銃を発砲する
その音を聞き、食堂でご飯をしていたダレイが立ち上がる
食堂中がざわつき始めたその時、ダレイのスマホから着信がある
「はい、こちらダレイです」
「聞こえますか!?今外で追い掛けられているんです……!支給応援を頼みます!!」
主はマイクだった
外からはバイク音と銃声が聞こえる
「至急そちらに応援を送る。この場所まで来れるか?」
「私がその場に連れていけば、あなた方は命を狙われます」
「どういう事だ!?」
課長が叫ぶと、ブツッと通話が切れた
「……ッ俺行きます!」
「ダレイ!!」
食事を残し、食堂を飛び出し走り出す
課長の声が聞こえたが、これ以上あの方を巻き込む訳には行かない…!
それにマイクの命が持つかどうかも……