『嗚呼、なんて残酷な人。』
〜御品書き〜
・こちらは幼少期のアルフレッドの
レストランになります。
此方が貴方の苦手なものだった場合、
今すぐこのレストランの外へ。
・アーサーが酷い事をしております。
・政治的意図・戦争賛美等の意図なし。
さあ、そろそろ料理が運ばれてきます。
それでは…
フルコース料理をお楽しみあれ。
「今日の予定、なんかあったっけ。
…そうだ、『あの人』が来る日だ。」
俺はいつの間にか、アーサーに会うのが
嫌になっていた。
その理由は確か、俺がもっと小さい頃…
俺は彼に会いたくて会いたくて
仕方なく、
先に草原へ行って待っていた。
そうすると、アーサーの声と…
知らない小さい、男の子の声がしたんだ。
俺は勢いよく、声の聞こえる方向へと
振り返る。
やっぱり彼は知らない小さい男の子を、
俺よりももっと愛おしそうに、
俺よりももっと仲が良さそうに、
その男の子と手を繋ぎながら
俺の元へと歩いていた。
当時の俺はそれがトラウマになり、
それ以来、彼にあまり近付かないようにした。
近付こうとすると、あの時の記憶が
フラッシュバックして
倒れそうになる。
だから、俺はもうあの人には近付かない。
いや…近付けないのだ。
そんな事を考えていると、
かなり時間が経っていたのだろうか、
外から玄関の扉を三回ノックされる。
俺は玄関の元へと小走りして、
扉を開け、誰が扉の外に居るかを
確認する。
扉の外にいるのは…
小さな子供を抱えていた、
アーサーだった。
その時、俺は全ての記憶が
フラッシュバックし、ぶっ倒れそうに
なりながら彼を迎え入れる。
そうすると彼は、その子供を
大事そうに抱えながら、
家の中へと入ってくる。
丁度昼頃。
彼のお手製スコーンを食べ終わり、
俺は彼に質問した。
「アーサー、その小さな子供は
誰なの?」
そう聞くと彼は、
『ん?こいつはな、お前よりも小さな
可愛い子供だぞ。国なんだが…
まだ国名は決まってなくてな。』
と俺には一度も見せたことの無い
笑顔を見せる。
そんな笑顔、俺の前で見せたことないね。
そんな事を思いながら、
もう一度、質問をする。
「その子はさ、俺よりも大事で
大切な子なの?」
と。
そうすると彼は、
『嗚呼、お前よりも可愛くて
大人しい子なんだ。』
と言った。
そう言った彼の顔は、
俺が見たことない、優しい笑顔だった。
俺はその言葉を言われた瞬間、
こう思ったのだ。
『嗚呼、なんて残酷な人。』
どうでしたでしょうか。
美味しくいただけたのなら
幸いでございます。
お代は貴方のいいねとコメントです。
…だなんて、冗談ですよ。
それでは…またお越しくださいませ。
コメント
2件
美味しかったですッ……ごちそうさまでした……ガフッ(昇天