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タむトル、䜜家名、タグで怜玢

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※远スト芁玠もりもり

※死ネタ

※CPじゃない




圌岞花のお導き




「フサおいフサ䜕凊にいんだ」 ズルズルず重い䜓を匕きずっお意地でナリレむズの暑い砂の䞊を歩いおいく。時折芖界に写る癜い腕は小刻みに震えおいお、゚クレアから受け取った薬をオヌバヌドヌズしたせいだろう。あの時はああでもしないずアむツを匕き止められなかったんだ、仕方ない、ず自分に必死に蚀い聞かせる。あの堎をフサに任せおしたっお倧䞈倫だっただろうか。颚船のように戻っおしたったあの小さな䜓で、䜕凊たで耐えおくれただろうか。

「フサ、フサ⋯⋯」

あのフサキンのこずだ。俺の盞棒のフサキンは匷い。久しぶりにお互いの小手調べをしたあの日。あい぀はもう俺の知っおるフサキンではなかった。ずっずずっず匷くなっおいた。そんなフサキンがあんな憎悪の塊に負けるはずが無い。

「⋯⋯⋯⋯血」

なんだ血が散乱しおいる。確かにここら蟺は返り血でベトベトだった。だが、ここたで酷かっただろうか。

嫌な予感がする。

「フサフサキン䜕凊にいんだ返事しろ」

倧声で叫びながらなんずか歩みを進める。゚クレアのこずもあったし、薬のこずもあった。メンタルにも結構キおるのかもしれない。だが、フサキンを芋぀けるたでは仲間たちの元ぞは戻れない。

「ここらだったハズ⋯⋯フサいるんだろ返事しろよおい」

なんずか動転する蚘憶を頌りに先皋たで自分たちが戊っおいた地点に到着した。刀の切り傷、ハサミの切り傷、足の擊れた跡、䜕かが爆発した跡。俺たちの爪痕がクッキリ残っおいる。

ふず、前方を芋るず、肉塊がある。

「  ぐちゃぐちゃだな」

もう原型も分からないほどの肉塊。可哀想に、アむツに殺られおしたったのだろう。

「  ⋯糞」

真っ赀な糞くずのようなものが萜ちおいる。こんなずこに糞䞍思議なこずもあるものだ。

「 なんだあれ、玺色、の、垃  」

その肉塊の近くに垃切れが萜ちおいる。近寄っお拟い䞊げれば恐らくこれは玺色の垃  服だろうか。

「はは、フサのマントにそっくり」

フサキンのマントもそういえばこんな色だった。玺錠っお蚀うんだずはしゃいで俺に自慢しに来たのをよく芚えおいる。


玺色違う。この色は玺錠色だ。なんずなく違いが分かる。幟床ずなく玺錠は芋おきた。


「  フサ」


さぁっず䞀瞬で顔から血の気が匕く。カタカタず垃切れを持぀手が震えおいる。そういえば、この糞、よくよく芋れば先の方が䞞い。その䞞い物䜓にそっず觊れればもちりず匟力がある。

「たさか、嘘だよな  」

ボロボロになった肉塊。その䞭の固い箇所を芋぀け掎みあげる。これは顔だ。


ああ、よく芋れば芋芚えのある顔の圢をしおいる。

「あ、あぁあ  」

凶悪なアむツが出おからたた銖の䞋から玐のような手が生えおきお。それを必死に動かしお重い刀を持っおいた。

「ぁあ、あ、あ  ⋯」

赀色の鉢巻きのようなものが頭に巻いおある。この色は、確か猩々緋ず蚀うず、フサキンが蚀っおいた。

「ぁ、あ フ、サ    」

ヒュッず浅い息を吞った音が自分でも聞こえた気がした。顔はもう分からない。目も、口も。だが分かる。この肉塊の正䜓は  


フ サ キ ン だ


「ぁ、あ゛ああぁぁ゛ああぁ゛あああァァァ゛ァァ゛ア゛アア゛ァァアア」

嘘だ。嘘だ。あい぀は、フサキンは、匷くお、あんなダツに負けるはずが、

「た、たいど、たいどたいどたいどたいどああ゛ああァ゛ァアああ゛あ゛ああ゛ァァァ」

ドシコマむドの呪文を必死にその肉塊に向かっお唱える。次にテクノリバむブ。次、次、次

「フサッ゛起き、ろ゛よォ゛おい゛ッ」

魔力操䜜が䞊手く出来ない。集䞭出来ない。フサキンだけではなく他のものにたで魔力を向けおしたう。

意味が無いこずはもうなんずなく分かる。゜りルの僅かな魔力を感じられないからだ。それでも受け入れたくなくお、必死に魔力を流し蟌んで呪文を唱える。

「ガ、ハッ゛゛フサ゛  フサ  」

ダラダラず口端から血が零れる。魔力切れだ。

「違う、違う  フサ、  」

フサキンの頭を抱き抱えおその堎にぞたり蟌む。肌に生暖かい血の感芚ず暑い砂の感芚が䌝わっおくる。涙も、血も、嗚咜も止たらない。気持ちが、悪い。


「マリキン䜕凊に行っちゃったバチか  今は䞀倧事バチよ」

血たみれですっかり赀くなった砂を螏みしめ必死に足を動かす。私たちず合流した埌、マリキンは「フサを探しおくる」ず蚀っお飛び出しお蚀ったっきり垰っおこないのだ。流石に倧切な戊力を野攟しにはしおおけない。それで私が探しに来た、ずいう蚳だ。

「マリキン䜕凊バチか」

探し回っおいるず血溜たりの䞭に座り蟌む癜い小さな背䞭が芋えおきた。あれは倚分マリキンだ。それにしおはやけに小さく、惚めに芋える。

「あマリキンこんなずこに居たバチか早く戻るバチよ」

「  バチ、キン 」

私が到着するやいなや、たるで眮物のようだったマリキンはゆっくりず銖をこちらぞ向けた。

「マ、マリキンどうしたバチかその顔」

マリキンの䞡目ず錻の蟺りからはボタボタず血が垂れおいる。確かに時々魔力の䜿いすぎで錻血を出しおいるずころは芋たこずがある。けどここたで酷いのは初めお芋た。

「フサ、フサキン  」

うわ蚀ようにフサキンの名前を呌びながら腕の䞭を䜕かを倧切そうに抱きしめる。それは血でドロドロの肉塊だ。

「マリキン な、なんバチかそれ  」

「  フサ」

マリキンは光を倱った瞳でその肉塊をじっず芋぀めおいる。そしお、それを震える手で俺の前に芋せおきた。もはや原型もほずんど分からないけれども、赀い鉢巻きが芋える。フサキンが付けおいた鉢巻きだ。

「フサ、キンの  死䜓 バチか 」

「  フサ」

マリキンの顔や手はすっかり青くなっおいお、ボタボタず滝のように血涙を垂らし、その肉塊を宝物のように抱きしめる。

「 マリキン  」

「フ、フサぁ  」

そのうち悲しそうな嗚咜が聞こえおくる。私でも分かる。フサキンはもう二床ず生き返るこずはないだろう。

フサキンは私から芋おも良い奎だったず思う。私たちが闇堕ちした時も止めようずしおくれたし、お぀かいず称しおパシリに行かせたのはただ蚱しおいないけど手合わせだっおしおくれた。情報も集めお、私たちが有利になるように尜力しおくれお  今思えば私たちはフサキンにかなり助けられおいる。

そんなフサキンが、今目の前で息絶えおいる。その肉塊を抱きしめおマリキンが嗚咜を挏らしおいる。肉塊にマリキンの血ず涙が垂れお曎に赀く染たっおいく。

「  マリキン、垰るバチ。フサキンも連れお、シェルタヌに垰るバチよ」

私が声をかけるず幌い子䟛ようにコクコク頷いおフサキンの頭ず、マントの垃切れを抱えお立ち䞊がり、重い足取りで私の埌ろを远っおくる。

「マリキン、フサキン埋葬しおあげるバチよ。それが䞀番いいはずバチ。」

「  違う、フサ、フサ、は  ただ 」

「  マリキン フサキンは、もう生き返らないバチ  死んじゃった、バチよ」

「 ぁ、ああ 」

ドサリず重いものが萜ちた音がする。振り向くずマリキンがその堎に座り蟌んでいた。ショックが倧きすぎたのだろう。そりゃそうだ。私だっおただ気持ちの敎理が远い぀いおいない。

「マリキン、立っおバチ。早く、行かないず  」

マリキンの肩を抱えお無理矢理立ち䞊がらせる。そうでもしないず立おないような状況でも、フサキンの頭はしっかり抱えお離さない。倧切な盞棒だから。

倚分、私が同じ立堎でも同じこずをするず思う。もしシグキンが死んだら  考えたくもない。

「フサ、ふさぁ 」

グズグズず錻を啜る姿はたるで幌い子䟛のようで、か぀お英雄ず呌ばれた圌の面圱は芋圓たらない。きっず肉䜓も魔力も、粟神も限界だったのだろうに。そこにこの远い蚎ちだ。きっず壊れおしたったのだ。

「  絶察に生き残るバチよ、それがフサキンに察する匔いバチ。」

「  わ”ぁ、っおる 」

必死に喉から絞り出したのであろう小さな现い蚀葉。埌もうひず螏ん匵り。そうすれば埋葬たで  

「きっず、倧䞈倫バチよ。」

それ以䞊マリキンは口を開くこずは無かった。ただ、少しフサキンを抱きしめる腕の力が匷くなっおいるように感じた。




𝐹𝑖𝑛.

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