砂埃が舞って、煙たい空間の地平線に取り残された 。
ずっと向こうには何も無い。山も、川も、。
ここは、砂と灰 、塵があるだけだった。
水も、花も、草でさえもひとつも見当たらなかった。
太陽の光なのかも分からない光が上から差し込むばかりで、雲かも分からないが、上を向けば灰色に霞んでいた。
乾燥しきっている冷たい風が俺らの肌に刺さる 。
「 臭い 、、」
異様な匂いが漂う 。例えるなら下水道の匂いと牛乳の腐った匂いだ 。
「なぁ、本当に行くの、?」
不安そうな声で翔が声をかけた。
「行かないと 、」
「 なんか 、公園のトイレの匂いする 、」
むせながら陽奈がそう言われると、具体的すぎて笑ってしまった。
「ちょっと、笑い事じゃないわよ !
ふざけないでよ、早くここから抜けましょ。」
心優が眉間に皺を寄せて 駆け足でこちらに走ってきた。
「ま、待って 、 」
「大丈夫か、?翔 、」
「う、うん、」
2人は手を引き合ってこちらに着いてきていた。
本当に翔と空鷺は仲がいいな 。俺が初めに翔を見つけたと言うのに。
俺が1番に… 。
「ねぇ、出口、本当にあるのかしら 。」
「分からない、でも、歩き続ければきっと、」
悠斗と茜は 、望遠鏡などで周りを見渡して捜索していたが、どうやら終わりがないようで、
「じゃ、じゃぁ私たちもう出られないの!?!?
私たち死んじゃう!?!? 嫌だ嫌だ嫌だ〜 !!!」
「変な事言うんじゃないよッ!!」
マイナス思考になっていく陽奈を心優は軽めに頭を叩いた 。
「痛ぁい〜 … 」
陽奈は叩かれた場所を抑え 、しゃがみ込んだ。
「そんなに強く叩いてないわよ。」
「う 〜 、ダウト!!! 嘘だよ!!
痛かったもん!!!すっごく!!!いたぁい!!」
「うっさいわね。アンタが弱いだけよ!!」
「おいおい、喧嘩すんなって 、、」
呆れたような口調で竜舞が苦笑いをして心優の頭をぽす、と手のひらで優しく叩くと 、
心優は む、っとして、頬を膨らまし竜舞を睨んだ。
「早く行くぞー、、」
呆れたような声でみんなに呼びかけるも 、
反応してくれる人は翔しかいないようだ。
「うん」俺の目を真っ直ぐ見つめてるくれる翔が 、
1番の理解者だと思った 。
「翔が1番可愛いなぁ 、ほんと、お前らも見習えっつーの 、、」
俺は翔のことを弟のように思って 、
翔もきっと俺の事を兄のように思ってくれているはずだろうと勝手に思い込んでいた 。
いつも翔と一緒に居る空鷺は誰にでも無愛想で 、
静かと言うより、無口で冷たい目で睨みつけてくるような感じで 、俺にとってはあまり、相性が合わない相手だった 。
俺の方が翔のこと知ってるっつーの 、
しかし、こいつが翔と出会ってから 、ずっと翔を独占して … そこからだ、あまり翔が俺のところに来なくなったのは 。
「そんなに、不貞腐れされないの !
怒ってばっかいると、そういう顔になっちゃうぞ!
それに、あんまり独占欲強すぎると 、
嫌われちゃうかもよ〜 ???笑」
そうにこゞと俺に笑いかけ、肩をつんゞと突っついてくる陽奈にため息をついて 、
「俺だって我慢してんの、でもさ 、あまりにもあれは 、どうかと思うんですが 、」
「はいはい 、そんなに怒んないの !
それに、蓮馬には他の子もいるでしょ!!
陽奈もいるし、悠斗も、竜舞だって !!
そうだ!!竜舞がいるじゃん!!最高の相棒の!」
竜舞 は 俺の相棒であり 、最高の親友だ 。
口は悪いし 、性格もなんとも言えない、
目つきもたまに怖いし、金髪 で、タトゥーもあるが、
何も問題は無い 。
以外に愛着が湧くところはあるし 。
こいつの好きな食べ物りんご飴なところとかも可愛いと思うし 、
ヤンキーとは思えないが 、本を読むことが好きらしい 。漫画ではなく、小説だ 。
押し花とかコレクションにしてるところとか 、
これが世間でいう ゛ギャップ ゛というものなのか 。
「竜舞ぁぁぁ !! 蓮馬が呼んでるよ!!!」
「よ、呼んでなッ 、」
「どしたー 。」
陽奈が俺の耳を壊す気なのかと言うくらいの声量で竜舞を呼び、その衝撃で耳鳴りがなった 。
そんなに大声じゃなくても聞こえてるって 、
「どした。なんかあったか ?」
「いや、」
「なんだよ 。構って欲しいって顔してんぞ 笑」
「は !?!?してねぇし!!!」
変な勘違い野郎だ 。やめていただきたい 、
間違ってはいないが 。まるでその言い方をされると俺が構って欲しい寂しいやつのようじゃないか。
そもそもそんな顔もしてない。
「勘違いすんなし 、」
そう彼に睨みつけると彼は俺の頭を撫でた 。
「餓鬼じゃない!!」
「甘える時は甘えろよ 。笑」
俺は大人しく撫でさせてやった 。
撫でさせて あげた んだ 。撫でてもらってるんじゃない。こいつが勝手に撫でてるだけだ。
「早く行かねぇとな 、他の野郎共が困っちまう 、」
彼は俺から手を離し 、微笑みかけた 。
しばらくするとたった1輪の花が咲いているのを見つけた 。
「なにこれーー!!!?!?花だよ!!花花!!
薔薇かな!?!?」
やっとひとつの自然物に出会えてみんなテンションが上がっていた 。特に陽奈は奇跡とか 、新しいものとか 大好きだから 、一番に喜んでいた 。
「水がないのにどうして1輪だけ咲いているのでしょう? 」
不審に思った茜がそっと花に触れた瞬間 、
花が 枯れた ______ 。
「私っ、!!」茜が何とか説明しようとしているが、
俺達も見ていたので理解はできていた 。
茜は悪くない。それはみんな分かっていた。
枯れた花を見つめた 。
「ねぇねぇ 、さっきまであっちになかったよね 。
あれって花じゃない?」
悠斗が俺らの北か、南なのかも分からないなか 進み続けていた方向にもう1輪花が咲いていた 。
先程まではなかったはずだ 。
「瞬間移動 ?そんな、まさか 。花だぞ、」
「世界は何があるか分からないね 、」
「違う花でしょ 、」
「いや 、 悠斗の言う通り 移動してる。」
空鷺が先程見つけていた花をもう一度触れ、
また奥に咲いているのが見えた 。
その花を辿り 、奥へ進んだ ____ 。
コメント
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1コメ!!!おぉ(*ºoº*) ここあ様は東リべのストーリーも上手いけど、 ここあ様のオリジナルストーリーも新鮮でいいですね!!続き待ってます!!