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青視点
俺がほとけくんに告白してから数日が経った。あれから毎日ないこと共に放課後に訪れ、一緒に帰っとる。ちなみに告白は「考えさせてほしい」と保留にされた。まぁ、いきなり告白されたらそういう反応になるよな。それでも普通に接してくれるほとけくんには感謝しかない。
桃「まろ〜!」
青「あ、ないこ!」
そういえば今は昼休みや。ないこが俺を呼んどる。弁当と水筒を持ってすぐにないこの元へ向かう。
青「ごめん、お待たせ!」
桃「大丈夫だよ!早く行こ〜! 」
青「おん!」
桃と青「「いただきます!」」
いつも通り屋上へ向かい、ないこと弁当を食べる。屋上は本来立ち入り禁止やけど、ないこの生徒会長権限で特別に使っとる。理由は他の場所やと女子にキャーキャー言われて弁当どころはないからや。
桃「そういえばさ、まろ」
青「ん〜?」
桃「何でほとけっちのこと好きになったの?」
青「んぐっ!?」
ないこの言葉に思わず咽こむ。
桃「ちょ、大丈夫!?」
ないこに背中を摩られながら息を整える。しばらくするとマシになった。
青「げほっ、ごめん…」
桃「いや大丈夫だけど、どうしたの…? 」
青「急にほとけくんのこと聞かれて焦ったっていうか…」
桃「なるほど…」
ほとけくんのことを考えるとどうにも俺が俺やないみたいになる。俺は基本冷静なはずやのに急に焦ってまうんや。これが恋の影響やろうか、、、
桃「で、何で好きになったの?」
青「まず、声がかわええなって思って…」
桃「確かに可愛い声してるよね」
青「それで言葉の節々から優しさを感じて…」
桃「実際優しいからね」
青「それ、で…」
桃「ん?どうしたの?」
青「笑顔がすごく眩しくて、好きになった、、、」
桃「ほぉ…」
俺は恥ずかしくて仕方なかった。ないこの顔が見れへん。引かれた、やろうか…?
桃「めちゃくちゃいいじゃん!」
青「え、?」
桃「一目惚れ、って言いつつ性格もわかった上で惚れてるんでしょ? 」
青「おん、、、」
桃「それって普通の一目惚れより素敵だと思う!」
青「そう、かな…?」
恥ずかしくなって髪を左手でクルクルと弄る。ないこが受け入れてくれて、その真っ直ぐな瞳に嬉しくなった。
桃「決めた、俺応援するよ!」
青「応援してくれん…?」
桃「うん!親友の初恋だからね!」
そう、ほとけくんが俺の初恋や。今までどんな可愛い女の子でも好きにならんかった俺が、ほとけくんを好きになった。男の俺が同性であるほとけくんを好きになるなんて否定されるかと思った。それでもないこは受け入れて応援してくれる。その事実がとてつもなく嬉しかった。
桃「それに俺は雑食オタク!」
桃「同性愛に対する偏見なんてないに決まってんじゃん!」
青「…!」
そうや。ないこはこういうやつや。優しくて思いやりがある。欲しい言葉をいつもくれる。やからただの友達やなくて、初めての親友になったんや。やっぱりないこはええ奴や。
桃「ほら、早く食べないと休み時間終わっちゃうよ?」
青「おん、!」
俺らは急いで弁当を食べ始めた。
放課後。俺らはいつも通りりうらとほとけくんの学校へ来とった。りうらから聞いたが、ほとけくんは所謂男子校の姫らしい。だから周りの生徒に可愛がられているらしい。まぁ、初めて会った時に周りから姫と呼ばれとったから薄々察しとったけどなw
青「はよほとけくん来ぉへんかな〜…」
桃「まろ相変わらずベタ惚れだねw」
ふんっ、ベタ惚れで何が悪い!なんて思いながら二人がやってくるのを待つ。あの可愛らしい顔を思い浮かべるだけで幸せな気持ちになれるってもんや。
赤「ないくーん!まろー!」
水「ちょ、りうちゃん早いよ〜!」
桃「お、噂をすれば何とやら!」
ほとけくん、今日もかわええなぁ…なんて見惚れながら思う。最初に会ったときはブレザー姿やったけど、暑くなってきたからか最近シャツに水色のベスト姿で可愛らしい。
桃「りうら!今日もお疲れ様!」
赤「うん!二人もお疲れ様!」
青「ありがとうな」
桃「ありがと〜!」
そう言いながらないこがりうらの頭をわしゃわしゃと撫でる。
赤「んわ!くすぐったいよ〜…」
つくづくこの兄弟は仲がええな、と思う。俺は一人っ子やから少し羨ましい。
水「あの二人仲良いよね」
青「そうやねw」
ほとけくんにも敬語を外してもらった。やっぱりこの方が喋りやすい。
水「いふさん、二人置いてっちゃう?w」
青「ふふっ、ええなぁ!w」
赤と桃「「良くないよ!!」」
青「さすが兄弟、息ぴったりやなw」
りうらとないこは性格も割と似とる。やから仲がええんやろうな。まぁたまにないこが構いすぎてりうらに呆れられとるけどw
水「帰ろ帰ろ〜!」
桃「そうだね!」
4人で話しながら帰っとると時間があっという間に過ぎていく。
青「なぁ、ほとけくん 」
水「ん?どうしたのいふさん」
青「その…さん付けやめてくれん?」
青「なんか呼ばれ慣れへんから変な感じすんねんな…」
水「別にいいよ、いふくんって呼んでいい?」
青「おん!もちろんええで!」
水「じゃあ僕のこともくん付けやめてよね!」
青「わかった、ほとけ…」
好きな人を呼び捨てでしかも相手からはくん呼び…何だかドキドキした。きっとこの感情は恋。今まで感じてこなかったもの。俺が告白してからもほとけは普通に接してくれる。それがすごく嬉しい。もしかしたら好きになってくれるかもって、思えるから。俺は恋愛経験が無さ過ぎてどうやってアプローチしたらええんかわからん。でも距離を近づけるために積極的に話しかけとる。
水「そうだ!ライン交換しよ?」
桃「あ、そういえばやってなかったね!」
確かにいつも一緒に帰っとるのにすっかり忘れとった。
水「いふくん、携帯出して!」
青「おん!」
シンプルな紺のカバーがついたスマホを差し出す。ほとけのは俺のとは対照的で水色のケースでたくさんデコってある。キーホルダーもたくさんや。ホンマにかわええもんが好きなんやな。
赤「りうらとも〜!」
青「はいよ、」
りうらはオシャレなスマホカバーや。ないこからファッションが好きって聞いとっただけあるわ。
桃「これでみんな、連絡取れるね! 」
青「そうやな!」
好きな人のラインがわかったってことはいつでも連絡を取れるってことや。そう考えると何だか嬉しくなった。
水「いふくん、なんだか嬉しそうだね? 」
青「まぁな」
青「好きな人と連絡先交換できて嬉しくないわけないやん!」
水「ふふっ、そっか!」
あれ、ちょっと待って。本人相手に言ってもうた…?
青(やっちまった…!!)
恥ずかし過ぎて前を向けない。顔に熱が集まる感覚がする。恥ずかし過ぎてほとけのことを直視できへん。なんて言われるかわからんくて怖い。怖くて仕方がない。脳内が恐怖に染まると同時に俺は下を向いて、唇を血が滲みそうになるほど強く噛み締めた。
水「いふくん、?」
ほとけが優しく俺を抱きしめた。
青「へ…?」
赤と桃「「おぉ!?✨」」
ほとけに、抱きしめられとる…あったかい、、、
水「そんなに照れなくても大丈夫だよ」
水「いふくんが僕のこと好きなのはわかってるから!」
青「ほとけ、、、」
その眩しい笑顔にキュンとなる。ちゃんと俺の想いが伝わっとったんやって、それと同時に拒絶しないでいてくれた嬉しさが駆け巡る。
青「ほとけ、俺絶対いつか惚れさせてみせるから!」
青「やから、待ってて欲しい…」
水「うん、待ってるよ?笑」
その不敵な笑みを浮かべた姿が妙に眩しくて、かっこよかった 。顔も声も可愛いのに、何だかかっこええ。どんどん好きという気持ちが増していく。俺はもしかしたら、とんでもない相手を好きになってしまったんかもしれん。
青(そんなわけ、ないか)
水「いふくーん?早く帰ろうよ〜!」
青「おん!」
俺は足早にほとけたちの元へ向かった。