違和感を感じて目を覚ますと青井が後ろから抱きつき首元に顔を埋めていた。
「おいコラ何してるんすか。」
「起きたー?今つぼ浦を堪能してるとこ。」
「くすぐったいんだが。」
「じゃあこっち向いて、ハグしよ。」
1回離れると青井のほうを向いて抱きついてからモゾモゾと落ち着くポジションを探し始める。
「んふ、かわい。」
「なんすか急に。」
「別に急じゃないよ、つぼ浦のことはいつも可愛いと思ってるもん。口に出してないだけ。」
「アオセンのこと色々分かったつもりだけどそれだけは一生分からん。俺が可愛いなんてんな訳ねーだろ。」
「そういう無自覚な所もめっちゃ可愛い。これは俺だけが分かってれば良いの。」
「…もうダメだコイツ…」
そう言いながらベストポジションを見つけたらしいつぼ浦がふぅ、と小さく息を吐いて青井の肌にすり寄る。
「今日はお願い聞いてくれるんだよね?」
「おう、だけどあまりにもな…前に行った炭鉱?にまた行きたいとか、そういうハードなやつは勘弁してくれ。」
「相変わらず怖がりだなぁwじゃあ今日1日ずっとくっついてたい、イチャイチャしよ。」
「そんなんで良いんすか?もっとなんか、欲しい物あるとかどっか行きたいとかそういうのは?」
「ずっとくっついてるってなると家一択でしょ。あ、夜は手料理食べたいな。」
「いやそりゃ料理ぐらい作るけど…それで良いのか?」
「それでって、余裕かましてるけど大丈夫?…じゃあまずはつぼ浦からキスしてもらおうかな。」
「は!?そういうのはナシだろ!」
「俺のお願い聞いてくれないの?悲しいなぁ?」
「ぐっ……すぅーはぁー…目ぇ瞑って。」
ガチガチに身体を固めてゆっくり口付ける。触れた唇もまだまだ固いな、と思いながら微笑んで頭を撫でた。
「ありがと、お返しね。」
頬を撫でながらちゅ、とキスすると緊張が解けたつぼ浦は青井を仰向けにさせて胸の上に頭を乗せた。
「…はぁー、これ寝起きにする事じゃねーだろ…」
「俺はいつも寝起きにしてるんだけど?」
「それはアオセンだからだろ。人には向き不向きっつーもんがある。」
「つぼ浦はこうやって甘えるのが得意だもんね、かわい。」
「…うっせ。腹減ってきた。」
「じゃあ起きる?」
「んー…もうちょいこのまま。」
「もうちょいね、ほんと上手いんだから。」
家でくっついてるなんていつもと同じだろうと思っていたが甘かった。部屋を移動する時は手を繋いで腰を抱いてくるし、食事の準備をしてる時は後ろから抱きついてくるし、ソファに座ろうとすると膝の上に誘導される。向かい合うように座らされ腰に手を回されギュッと力が込められた。暫くなされるがまま、身を預けて話したりスマホを弄ったり、たまにつぼ浦も腰に手を回し抱き締め返したりしていたが青井が心配になってくる。
「もう流石に重いだろ、下ろしてくれ。」
「重くない。ダメだよ、ずっとイチャイチャするって言ったじゃん。」
するりと指を絡められ頬を染めてしまう。もう片方の手で頭を引き寄せられ、唇を重ねた。
「…ん…///……ちょっと休憩しないか?」
「休憩?そんな嬉しそうな顔してるのに?」
「///それはいーから、ほら夕飯の買い物行かないとだしな!」
「あーそっか、じゃあちょっと出かけるか。」
「あっ誕生日プレゼント渡してねぇ!早く外出ようぜ!」
早く早くと青井を引っぱりながら外に出て、ガレージから青い3輪バイクを出し青井に見せた。
「ハッピーバースデー!!!」
「おー!ありがとう、かっこ可愛いな。これで行くか!」
「でもこれ遅いっすよ、店まで結構遠いぜ?」
「別に急ぐ訳じゃないしつぼ浦がくれたんだから今すぐ乗らないと。」
2人でバイクに跨りよし出発だと走り出したが何故かすぐに止まった。
「どうしたんすか?忘れもん?」
「お前どこ掴んでる?」
「え?後ろの…ここの取っ手?」
「なんでよ、俺に掴まってよ。ちゃんとくっついて。」
「ここでもかよ!?いーだろここは。」
「あ、俺のお願い聞いてくれないんだぁ…ふーん…」
「あーーもう分かったすよ、こうな。」
青井の腰に掴まったら満足そうによし、と呟いて再び走り出したが、つぼ浦のほうが後ろでニヤニヤしながら背中に頬ずりをして嬉しそうにしている。
コメント
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2人の幸せ空間を見てて、こっちも幸せを感じてます🫶 これからも応援してます🐰⸝꙳.˖
初コメ失礼致します! コメントするためにTERROR入れさせてもらいました🙌 いつも高クオリティな小説ありがとうございます〜🙇♂️ フォロー失礼します〜!