業務が終わると連日の激務が祟ってヘロヘロになった青井の肩を担いで駐車場まで連れて来た。
「ごめん今日運転頼むわ。」
「大丈夫すか?だから適度に休めっつってんのに。」
「いやいつも通りだったら平気だった、急に俺が苦手な口プしなきゃいけなかったのがトドメだった。…つぼ浦のご飯食べたいな。」
「時間かかるの待てんなら。なんか食いたいもんは?」
「んー…ごめん、考える気力ないや。つぼ浦の料理はなんでも美味しいからおまかせで。」
家に着くとソファに座り目を閉じて深いため息を吐く。誰が見ても分かる、疲れきった顔をしながら暫く動かなかった。
「本当に大丈夫かよ。俺が作ってる間に風呂入ってくれば?」
「そうするわ、マジで疲れたな…」
つぼ浦は早速作るかと一瞬キッチンに立ったが、ハッと思いつき青井の隣に座って両手を広げた。
「アオセン、ん。」
「えーなに甘やかしてくれるの?つぼ浦ぁ〜!もうほんと好き、大好き。」
「…そんなん知ってるし。」
「え、何それちょっと可愛すぎない?」
照れ隠しの言葉のチョイスを間違えたつぼ浦の顔が赤くなるが、お構い無しに抱きついてすり寄ってくる青井の背中に手を回し力を込める。
「ぅあー…これが1番回復する。つっかれたぁ…」
「今日もずっとヘリ乗ってたすよね?マジで無理しないでくれ、心配になる。」
「でも今日はサーマルできる人少なかったじゃん、しょうがなかった。」
「アオセン!怒るぜ?」
「ごめん、心配かけさせちゃうのは違うね。これからは程々にします。」
「よし、じゃあ許してやる。」
つぼ浦が青井を癒していたはずなのに、話しているといつの間にか青井のほうがつぼ浦の頭を撫でたり手を握ってきたりと立場が逆転していた。つぼ浦はなんか違う…と戸惑ったが青井のメンタル面は回復していってるようだったのでまぁ良いかと身を委ねる。
「あ、風呂沸いたぜ。俺も飯作んなきゃ。」
「待って、その前にあとキスだけ。良い?」
「…ぅん…」
指を絡めながら目を閉じ唇を重ねる。離れる前にもう一度つぼ浦がギュッと抱き締めた。
「…んふ、かわい。もうめっちゃ元気出た、ありがと。」
「そりゃ良かった。風呂もゆっくり入ってきてくれ、1時間ぐらいはできないから。」
「うん、いってくるわ。」
言われた通りゆっくり風呂を済ませてリビングのドアを開けた瞬間、部屋中に漂う良い香りに食欲が刺激される。
「うーわめっちゃ良い匂い、一気に腹減るなー。」
「ナイスタイミング!ちょうどできたぜ。」
「え、全部俺の大好物じゃん。お前はほんっとに…ありがとね。」
「まぁ俺だからな!運ぶの手伝ってくれ。」
料理に関しては特に自信満々に、得意気に胸を張るつぼ浦を見てクスクス笑う。食べ終えて話していると大分穏やかな表情に戻っていた青井を見て安心しながら、一緒に寝たいと駄々を捏ねるのを説得してベッドに寝かせた。
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