テラーノベル
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「言うけど、当然、誰にも言わないで」
「約束する」
私は早川さんに、私が東京に来た経緯と、病院でのことは嘘だったことなどを伝えた。
言わなかったのは、寄付をしてお金を使い切ろうとしていること。
「……という親子が、探しているってこと」
少し前にお箸を置いていた彼は、一呼吸おいてから
「よく頑張ったな、菊」
とても静かに言う。
そして
「うまいか?」
と私の手元を指差した。
「すごく美味しい。繊細な味だから、もう少し別の言い方があるのかな?」
「美味しい、と思えて良かった。生きてる、ってことだろ」
「うん」
それから食べ終わるまでは、お互いにほとんど話をしなかった。
そして、最後に熱いお茶をすすりながら
「家、どうする?菊の思う状況と変わっただろ?」
と彼は改めて聞いた。
「出来るだけ早く売ってしまいたいことに変わりはない」
「それからどうする?」
「就活する」
「東京で?」
「たぶん。査定は?」
「まだ計算してない。中の荷物のことも考えてください、一ノ瀬様」
「アハハッ、わかりました、副社長さま」
ご馳走になってから、少し早いけど私もホテルを出ることにする。
「リュックの中身の理由もわかったが、気を付けて出掛けろよ?」
「うん」
エントランスで早川さんに返事をした時
「ああ、本当にここにいたわ、菊!」
――えっ……どうしてここがわかったの?
真っ赤な唇を嬉しそうに開けた叔母と、もれなくついてくる敬がこちらへ向かって来た。
コメント
5件

「ほんとに、ここにいたわ」って、誰かに聞いてきたっていうことだよね😱何とかこの親子から離脱できますように

な、なんなの? 希輔さんの後つけられてた? じゃないなら?親友が 言った?(💢'ω') 親が無くなったからって、捜索願いを出したのか?😳
何故?どうして?怖すぎる😱 希輔さんが一緒の時で良かった!! 菊ちゃんを守って〰🙏