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杏「…え……?……雷、樹……?」

テレビに映し出された映像に、その場の全員が息を呑む。

咲「ひ、ひぇ……。」

咲ちゃんは口元を抑えて、涙を流し、驚いている。

優蒼ちゃんはただ驚いて、その場に静止している。

優蒼「………?」

何が起きたか、わかっていないように見える。

私だってわからない。

海斗「え、あれって、ケチャップって事、ない?か?」

流唯「………。」

マスター「おや、これは大変ですね。優蒼さん。シャワーを浴びていらしてはいかがでしょうか?」

優蒼「………わかった。」

優蒼ちゃんは少し考えてから、同意した。

優蒼ちゃんが動くと、テレビの画面は砂嵐となった。

みんな「………。」

気まづい。

そりゃあそうだ。人が死んだんだぞ?

あの一瞬で。

私「どうして……、」

柚月「ほんとに一瞬だったね。」

咲「わわわわっ、私じゃ、ないっ!!」

海斗「咲なわけないだろ。ここから少し離れてるんだから。あの一瞬で行けっこねぇ。」

流唯「でも、あの反応を見るかぎり、優蒼でもなさそうだし、マスター?だったら、優蒼が気づいてるよな。」

杏「…だよ…。」

私「え?」

杏「絶対優蒼に決まってんじゃん!!!」

私「ちょ!杏くん!落ち着いて!」

杏「優蒼…!許さないからっ!!」

話を聞いてくれそうにない。

そりゃそっか、恋人が死んだんだもんね。

ちょうどだった。優蒼が戻ってきた。

杏「優蒼…っ!」

優蒼「…はい…?」

杏「殺してやるっ!」

優蒼「え、?」

杏「殺してやるっ!!」

優蒼「はあ?」

杏「お前が殺したんだろ?絶対許さないからなっ!!」

優蒼「……本当に私を殺したいんですか?」

杏「あぁっ!殺ろうじゃないか!」

優蒼「仕方ないですね。いいですよ。」

杏「よし。殺る。」

優蒼「その代わり、私も反抗させてもらいます。」

杏「あぁ、かかってこいよ。」

そんな会話を終えると、2人は0327室に入っていった。

マスター「ではお二人にはこれを。」

マスターは止めようともせず、2人にナイフを渡した。

海斗「おい!マスター止めろよ!」

マスター「いえ、このゲームは自由なので。止めることはできません。」

海斗「くそ!俺がいくk…」

流唯「まて。2人に任せよう。どっちかを止めたとしても、片方が止まらなければ無理だ。お前も死ぬ。」

咲「わ、私は!、悪くない、!止めれないから、」

柚月「さぁ、どっちが勝つんだろうね。」

柚月ちゃんは楽しんでる。

私「わ、私!ちょっとお手洗いに…」

流唯「わかった。」

私はトイレに向かった。


(優蒼目線)

杏は体格はいいが女子にとっては有利な身体。

いわゆる、”弱点モロだし”ってやつ。

マスター「それでは、3…2…1…」

ヒュッ

その一瞬だった。

私と同時だった。

でも、

杏「かはっ(吐血)」

優蒼「あーぁ。だから言ったのに。本当にやるのかって。」

杏「そんな、なんで、」

優蒼「貴方の身体はデカい。つまり、私にとってはまとが大きいっこと。しかも、戦闘に不慣れなんですね。弱点がモロです。」

杏「ぐ、この…!」

優蒼「しかし、私は幸せ者ですね〜。」

杏「は?」

優蒼「あれ?気づいてませんでしたか?」

杏「はっ、知るかよ、」

優蒼「私とあなたは兄妹なんですよ?」

杏「は、?」

優蒼「だから、雷樹さんを殺ったのは、私です。」

杏「やっぱり!お前!」

優蒼「だって、兄さんには似合わないし、兄さんには私だけでいいんだよ?」

杏「ふざけんな、!」

優蒼「ふふふ。私は今ここで兄さんと混ざって死ぬんです!!あぁ!!なんて幸せなのでしょうか!!」

杏「ゴホッ(吐血)」

優蒼「あぁ!そろそろですね!!私も刺します!!」

グサッグサッグサッ

優蒼「あは!私と兄さんの血が混ざってる!!何で幸せなんでしょうか!!」

杏「は、は、は、」

優蒼「ふ、ふふ。兄さん、愛しています。世界の誰よりも。」

チュ

優蒼「あは、あは、あはははは。」



遥目線

私が戻ってくると、みんなは下を向きながら、暗い顔をしていた。

もちろん、2人の姿はない。

私「ごめん!お腹痛くて遅れちゃった!…みんなどうしたの?…2人は…?」

流唯「どっちも死んださ。」

私「え、?」

柚月「まぁ、遥は知らなくていいよ。」

私「え、」

マスター「それでは、次に進みましょうか。」










みんな「王様だーれだ………

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