この作品はいかがでしたか?
102
この作品はいかがでしたか?
102
I 夜明けの光
______星は、永遠には輝かない。
いつか、消えて無くなる。
そう知ったのは、一体どれ程前なのだろうか嗚呼、私は孤独だ。
幾ら輝こうともがこうとも、永遠に叶うことは無い。
ー ー ー ー ー ー
「■■■■■様。朝でございます」
「ぁー…うん、そこ置いといて」
ノックを少しし、躊躇なく開けてくる、この世話係の名はStern・Glanz。
私はスターム、と呼んでいる…。
生意気なこの小娘は、数年前に私の元へと仕え始めた、”ニンゲン”だ。
“ニンゲン”は、現代ではほぼ居ない、希少物。
そんな”ニンゲン”が、何故私の元へと仕えるようになったのか。それは良く分からない
ただ、夜道で拾っただけなのだ
「ここで、はたらかせてください!」
あの日、人間保護局に連れていったはずのスタームは、何故かうちへと来た。
人間保護局で、何か問題を起こして、追い出された…らしい。
彼女は、言った。
あなたと居たかったからです
と。
明らかに、人間保護局にいた方が幸せだろうに
人間の考えていることは、良く分からない
「…またカーテン閉めっぱ…
健康に悪いですよ」
「んー…」
「早く起きてください、ご飯冷めます」
世話好きなコイツは、てきぱきと動き
あっという間に部屋に輝きが灯る。
そして、主のテーブルにもう1つイスを持ってき、勝手に飯を食べ始める。
ぐぅぅぅ…
(くそ…昨日飯サボったから…)
「お腹空いてきたでしょう?
早く席に着いてください」
「なんか手中に収められてるみたいで嫌なんだけど」
「じゃあご飯は無しですね」
「……はぁぁ…。」
仕方あるまいと向かいの席に着き、ご飯を口に運ぶ。
人間が作る料理は、なんだか不思議な味がする。…私の種族用の食材は一切使っていなくて、人間用の物を使っていると聞いた。
最近は、種族間でもその方が栄養価が高いと話題になっているから、恐らく大丈夫だが…
照り焼きチキンだとか、さつまいもとの炊き込みご飯だとか…スティームは、美味しそうな物をよく作る。
そして、美味しそうに食べる。
「…■■■■■様?
あげませんよ。あなたの分はこっちです」
「はいはイ…わーってるよ」
あ”ー、と大口を開け、口内いっぱいに頬張る
“シアワセノアジ”が広がり、少し満たされたように感じる。
コメント
2件
世界線が……神ってる…… 好きやわ