っと思って一歩踏み出そうとした時
僕の手に大きな手が覆いかぶさった
あっ…捕まった
耳元で「どこに行くつもりなんだ?」と聞き覚えのある声…柊さんの声がした
終わった…っと思ったが、あと一歩のところで外に出られるのに諦めていいのか?振りほどいて出れば帰れる!と思った時、強引にドアノブを掴んでいる手はドアノブから離され「出す気は無いからな」と言いながら思いっきり閉められた
「絶対出られると思ったのに…な、なんで…」
「二度と逃げるなんて気を起こさないように、教えてやろう。ここのホテル自体は別館と本館に別れていて、さすがにいとと出会った時間は遅かったから、別館しか貸切ができなかったが、この別館も200以上の客室があって、厳重。それに、本館からも警備を依頼してるし、俺のボディーガードだっているわけだからな…。誰かが部屋を出た時も監視がされてるし、防犯カメラも数え切れないほどある。だから、自宅よりも警備は頑丈なんだよ。入る前に逃げ出すか、ホテルじゃなくて自宅がいいと言っていたら、逃げ道はあったかもな」と言われた
それじゃあ、逃げ場なんてどこにもなくて、柊さんの手のひらの上で踊らされていただけじゃないか
そ、そんな…
敗因はホテルに入ったことが失敗だったのか…
だけど、どれだけその話をされても、逃げることは諦めたくない…
「そ、そうだ!せっかく、1階まで来たんだし!家に帰りませんか!柊さんの家に…行くのは…」と言うと、気味が悪い笑顔で「俺の自宅に行くって言ってくれたのは嬉しいけど、まずは、ホテルから出ようとしたお仕置きしないとな」
「お仕置きは…ちょっと…そんなつもりで出たんじゃなくて…その…コ、コンビニ!コンビニに行こうと思って!」
「だったら、こそこそ行くんじゃなくてフロントから行けばよかったじゃないのか?」と言われた
確かにごもっともだけど!お仕置きと部屋に行くのは避けたくて何とか抗ってみたが、結局捕まってしまった
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