樹side
昨日、きょもが面会謝絶を取り消した。
俺は嬉しかったよ、でもね。
北斗は壊れちゃったんだ。
電話越しに聞こえる嗚咽音。
泣き叫ぶ北斗。
俺たちは心配になって家まで行ったんだ。
チャイムを鳴らしても応答がなくて、合鍵を持っていたこーちがドアを開けたんだ。
そこには、床に倒れながら嗚咽と共に泣いていた北斗がいたんだ。
必死に慰めたんだけど、無理だった。
北斗は、俺たちに…。
モヤモヤする気持ちを抑えながら、俺は病院の前にいる。
怖い。そう思った。きょもに会えるのは嬉しいけど、北斗になんであんなことを言ったのか、と追い詰めてしまいそうで。
震える拳を抑えながら、受付の人に言う。
樹「京本大我に会いたいのですが…」
受付「お名前は?」
樹「田中、樹です、」
受付「少々お待ちください。」
受付「確認ができました。615号室です。」
樹「ありがとう、ございます。」
いざ、扉の前に立つと緊張する。
大丈夫、俺は、大丈夫。
ドアに手をかけ、開けてみる。
そこにいたのは、きょもとは思えないくらい痩せていたきょもだった。
樹「きょ、も、?」
大「…樹、?」
言葉が出なかった。俺が心配していた暴言も出ないくらい、きょもは追い詰められていた。
大「久しぶり笑元気にしてた?」
樹「してたよ。」
大「そっかぁ、よかった。」
樹「…なぁ、きょも。」
大「なに?」
樹「…痩せたな。」
大「そうかな?笑樹よりは痩せてないと思うけど」
樹「いや、俺よりも痩せてる。ちゃんと食べてないだろ」
大「バレた?笑」
樹「笑い事じゃねえよ、」
きょもを目の前にすると、言いたかった言葉も言えなくなる。見た目は変わってるのに、性格は何も変わってない、きょものままだ。
そう思うと涙が出てくる。
樹「支えられなくて、ごめんな、」
大「おい、泣くなって笑笑」
大「あ、いつ発表できそう?」
樹「今週末には。」
大「そ、よかった。」
大「あと、北斗の件。」
心臓がドキッ、とした。
大「あの後、泣き叫んでたんでしょ?」
樹「ああ、」
“お前のせいで”
と言いそうになり、自分が怖くなった。
大「北斗、精神科に連れて行った方がいいと思う。多分、PTSDになってる。」
樹「え?」
大「お願い。」
樹「う、うん。」
あの一瞬で物事を理解してた?俺が言わなくても?その瞬間、俺は後悔した。
どうして、きょもを疑ってたんだろう。
大「じゃ、またね。」
樹「うん、また。」
気づけば面会時間は過ぎていた。
俺はきょもに頼まれたことをしなければならない。
北斗side
あぁ、もう何もしたくない。
何かしようとスマホを開いたら、流れてくるのは
SixTONESの記事ばかり。
しんどくてスマホを放り投げ、俺は布団の中に入り込んだ。
もう、どれくらい経ったのかわからない。
その時に、玄関のチャイムが鳴った。
樹「北斗ー?」
樹だった。
出たくない、昨日、あんな言葉を言っちゃったから。
樹「出てよー、」
樹「俺、ずっとここにいるよ?」
困るなぁ、
北「なに、?」
樹「俺と一緒に、精神科に行こう。」
北「は?」
何言ってんだ?こいつ。
__続く
コメント
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続き楽しみにしてます🫶🏻🩷ゆっくり書いてくださいね👍🏻