俺が玄関に立ち尽くして呆然としていると、小さくドアが開く音がして後ろを振り返った。
そこには外国人っぽい綺麗な顔をした、銀色の髪の背の高い少年が、扉の隙間からこちらの様子を伺っていた。
俺と目が合うと、挙動不審になりながらぼそぼそと呟いた。
🤍「あ、あの、えと、蓮さん、ですか?僕、お迎えにくるように言われてて、」
🖤「そうなんだ。あ、これからよろしくね」
🤍「あっはい、よろしくお願いします」
中に迎え入れられ、扉が閉まる。想像していた家よりもずっと豪奢で、城みたいだ。キョロキョロと周りを見渡していると、派手な格好をした男性が近づいて来てさっきの少年に声を掛けた。
💜「おーいラウール~!その子が親父が言ってた蓮って子?」
🤍「うん!そうだよ」
ひどく緊張している様子の少年は、その男性が現れた瞬間、ぱあっと表情を一気に明るくした。
ふーんと呟きながら、その男性は俺の姿を髪の毛1本1本から爪の先までまじまじと見つめた。
💜「けっこうイケメンじゃん!どこの馬の骨が来るのか心配してたけど君なら優しそうだし、弟達も大丈夫だな」
男性はそう言って、形の良い耳に付けた金色のピアスを揺らしながら俺の肩を叩いた。
俺が何と返せばいいのか戸惑っていると、先程の少年が、少しはにかんで男性に言った。
🤍「ちょっと辰哉兄ちゃん!自己紹介がまだでしょ。っていうかその人困ってるよ」
💜「あ、まじ?ごめんな(笑)俺の名前は辰哉。この家の長男だ。よろしくな!」
ほら、お前も。と言って今度は少年の肩を叩いた。
🤍「えと、僕はラウール。末っ子で中学1年生です。よろしくね」
ラウールと名乗った少年はまだ多少緊張はしていそうだが、辰哉が来る前よりはましになっている。
年は離れていそうだし、あまり似ていないので言われるまで二人が兄弟だと分からなかった。少し驚きながら俺も自己紹介をした。
🖤「俺の名前は蓮です。中学2年です。サッカーが好きです。これからよろしくお願いします」
俺も緊張しているので、声も話し方も堅かったかなと少し心配になった。
でも「うん、よろしく」と微笑む二人に、俺は少し安堵した。
他の兄弟も優しければ、仲良く家族として暮らしていけるかもしれない。
そんな淡い期待は、次に会う兄弟にあっさり崩されてしまうことを、この時の俺はまだ知らなかった…
次回に続きます!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!