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貴方は、太陽のような人であった。どんな人より綺麗で眩しい笑顔であった。
そんな君に僕は惹かれていた。ずっとずっと、目で追っていた。ある夏の事だった。君に届かぬ想いだとわかっていながら、恋に落ちた事を知った。自分が物凄く惨めに感じた。何度も繰り返すように、忘れろと願い続けた。実際のところ、君と話したことは1度もなかった。でも、君の仕草と優しい性格、愛らしい表情全てが僕には他の誰より美しく見えた。ある人は言った。可愛いから好きなのでは無い、好きだから可愛いのだ、と。僕はそれを見た日から、忘れろなんて僕が弱いだけだと思い知らされた。
何時だか、君は僕に話しかけてきた。それも偶然の出来事であった。君は「ハンカチ、落としましたよ!」と、元気いっぱいの笑顔で落としたそれを拾ってくれた。ありがとうございますと、緊張していたため声が震えてしまったが言うことは出来た。君はその後も「いえいえ!」とそれまた愛らしい表情で、愛嬌を振りまいて去っていった。
その次の日であった。僕は君にお礼をしようと、お菓子を持って話しかけに行くことにした。「昨日はありがとうございます。もし良ければ、これ貰ってください。」そう言うと君は「え!良いんですか?ありがとう!」と言い笑ってくれた。僕は君のその笑顔が見れただけで十分だった。
その後から僕らは仲良くなった。2人で居ても周りからの違和感が無くなるほどに。ただ僕は、ひとつの疑問があった。君は君自身について話したことがない。好きな物や嫌いなこと、それさえ教えてくれなかった。ただ君は「貴方の好きなものが知りたい!」と答えるだけだった。