テラーノベル
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保健室のベッド、
静かな空間にカーテンの隙間から光が差し込む。
元貴は、俺が冷たいガーゼを額に当ててやると、
少しぼんやりした目で『ありがとう』って
微笑んだ後、泣き疲れて、
力が抜けたみたいに静かに眠り始めた。
すごい…無防備だな、、
学校じゃ絶対見せない寝顔。
下がったまつ毛、
少し汗ばんだ額と、ふわふわの髪。
パジャマ姿でもないのに、
こんなに近くで顔を見るなんて初めてだ。
胸の奥がじんじん熱い。
さっきまで必死に『大丈夫』って
支えてやりたかったはずなのに、
今はただ、手が勝手に伸びそうになる。
触りたい……、駄目だろ、今は、!
声さえ出ない保健室の静けさが、
逆になんでも許してくれそうな気がした。
もし誰も来なかったら、
このまま元貴の柔らかいほっぺたに触れて、
髪を撫でて、もっと近くで息づかいを感じて…
滉斗『……っ、///』
駄目だ、と思いつつも視線が離せない。
寝息に合わせて上下する胸、
薄い制服の布越しに浮き出た肩や、
無防備に伸びた指先。
全部、自分だけのものだったら、
どれだけ楽だろう。
元貴の涙で少し濡れたまつ毛を、
指先で乾かしてやりたくなる。
口元に、そっとキスしてみたくなる。
もし、今ここでキスしたら、
目を覚まされても『夢だった』って、
誤魔化せるかもしれない――
ちょっと体を乗り出す。
指がベッドのシーツを掴む。
思わず自分の呼吸が乱れる。
理性が叫ぶ。
“やめろ”
“それはダメだ”
でも、感情が煽る。
“もしかしたら、許してくれるかも、”
“今だけなら……”
目の前の元貴は無垢で、
自分のそんな危ない衝動なんて知りもしない。
こんなの友達とかじゃない。
でも俺、元貴のことが…
好きで、好きで、しょうがないんだよ、
滉斗『…元貴、、///』
ギリギリで頭を振り、
自分の手をぎゅっと握る。
滉斗『……ごめん、
ほんと、お前のこと、
大事すぎてどうにかなりそうだ、///』
辛うじて唇をかみしめ、一歩だけ離れる。
自分の弱さや情けなさと向き合いながら、
横で安心して眠る元貴の寝顔をじっと見ていた。
好きだ…どうしようもなく、求めてしまう――
でも、傷つけたくない、
その一線は超えちゃいけない、
……だからせめて、そっと手を握らせて…
元貴の手の甲に、そっと自分の手を重ねる。
寝ている元貴は微かに笑みを浮かべて、
夢の中にいた。
ただその手の温かさだけで、
自分の“理性”を必死に保つしかなかった。
若井sideになります!
主に元貴sideだったんだけど、
若井sideも書きたくなっちゃって😉
コメント
5件
本当に大切にしてるの伝わってきます…😭✨