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息抜き…………ほんとに息抜き
モブ視点ちうい
頭悪め
学パロ
モブ side
「今日はここまで。復習を忘れないようにな」
1番苦手な地理の授業が終わり昼休みに入る。
どこでお弁当を食べる、購買早く行かなきゃ食べたいのなくなる、今日は好きな子と食べるんだ、とか、そんな会話で教室がいっぱいになる。
かく言う自分は高校に入ってから仲の良かった子ともクラスが分かれ気付けば関わりすら無くなった。多分もう友達じゃないのかもしれない。とか。
便所飯なんてそんな不衛生なことはしたくないので大人しく屋上に向かう。たまに人がいるけど旧校舎からじゃないと屋上に行けないせいで基本人がいない穴場だったりする。
とぼとぼ、長い昼休みを潰すためにゆっくりゆっくり廊下を歩く。と、廊下の端の方に黄色いハンカチが落ちてるのに気づく。拾い上げて見るとオレンジの糸でPと刺繍が入ってる。
P………あー、ぺいんとくん。
本名は知らない。みんながそう呼ぶからぺいんとくんって呼んでる。
落としたのか……まぁ隣のクラスだし少し早めに戻って渡せばいいか。
お弁当の袋に入れてまた屋上に向かおうと廊下を進むと屋上に行く階段とは反対側に続く廊下の方に曲がる人。こんなとこ来る人なんてそうそういないしもしかしたらぺいんとくんかも、と思って小走りに追いかける。
「ぺいんとく、」
呼んでみたら思ったより声が出なくて届かなかった。ガッカリしてるうちにぺいんとくんは進み続けて2つ目の教室、1ー2と書かれた表札が下がっている教室に入っていく。
あんなとこ鍵空いてたんだ。とにかく追いかけなきゃ。
また小走りで教室に向かうと僅かに声が聞こえる。
「……あさん!し……み!」
よく聞こえない、他に人がいるようだ。
「やっと……!……はで…てる?」
この声……って、しにがみくん?!
も、もっと聞きたい……!!
「…………はまだ………し、さき……ようか?」
え、もしかしてクロノア先輩も!?
あと一人来るって、この人たちとなんの関係があって………。
しにがみくんは可愛い男の娘で有名だしクロノア先輩はミステリアスだしクールですっっごくモテる。2人は自分の推しだったりもする。
あともう1人、クロノア先輩と同級生の推しがいるんだけどさすがにない………よね。
でももっと声聞きたい。どういう関係なのかも気になる…。
「ま、まって、俺まだ……」
「でも早くしないとお昼休み終わっちゃうよ?」
「う、でも…」
な、何が始まろうとしてるんだ……。
このハンカチを今返せたら2人ともお近付きに…。いやいや!ダメに決まってんじゃん!どんだけファンがいると思ってんの!!
今は会話に集中しなきゃ。
「次体育でしょ?単位まだあるって言ってたよね?」
「ん、まぁ…」
「じゃあ今日は最後までしよ!トラゾーももうすぐ来るし3人で1回ずつはできるでしょ」
「は!?い、いや!さすがにそれは俺が持たない…!」
「俺は優しくするよ?」
「そういうことじゃ……」
っえ?
と、トラゾー…先輩?
あの人とも交流が……?
てか最後までって何…?なんでこんな色っぽい雰囲気なの…?
うわわわわ、ドキドキして心臓が少し痛い。
「ん、♡」
「あれ、ぺいんとさんもう勃ってる?」
「じやぁ俺先こっちね」
「ちょ、さすがに、っはぁ♡んん♡」
「えー、まだ服の上だよ?ちょっと早すぎじゃない?」
こ、これって、え?セフレ…的な関係?
てかぺいんとくん総受け!?結構解釈違い………。でも今動いたら絶対バレるよね…逃げたいのに逃げれない…。
「はは、キツそう。出してあげる」
「ハーッ♡ハーッ♡♡」
「ほーら、こっち向いて」
「ん?♡ん、♡」
「もう、ちゃんと舌出してよ、べー」
「ぇー」
「ん、じょーず」
中から響く水音。
くろしに推しとしては少々しんどい…でもこれはこれであり………!!!
そんなこと考えながらドアに耳を当てていると後ろから肩を叩かれる。
「っ!!!!」
「しー」
口元に人差し指を持ってって静かに、の合図をされる。推しの1人の、トラゾー先輩。
隠れているはずの目元は自分の位置からだと中の目が少しだけ覗いている。
「こんなところでどうしたの」
「、こ、これ」
子供に問いかけるみたいに優しいのに冷たさが垣間見えて思わず息を飲む。
嘘は通用しないんだと、そう空気だけで伝えてきた。正直に、中に聞こえないように小さい声でさっき拾ったハンカチを差し出す。
「中の声聞いた?」
「え、?」
「聞いたの?まぁ、聞いたか。ドアに耳あててたしね」
なんでそんなこと聞かれるのか。
ぺいんとくんと3人はどういう関係なのか。
考えたらキリがないし緊張で上手く頭が回らずまともな受け答えさえできない始末。
「これ渡しとくから。じゃ、ありがとうね」
「ぁ、あの、」
「ん?まだ何かあるの?」
「そ、の、4人は…どういう関係……なんですか」
沈黙。
心臓が忙しなくなり出す。
どうしてかとても冷たい目をしてるのが分かる。手が震えるし涙も浮かんできた。
「そんなこと聞いて、君になにか得はある?」
「…え」
「俺も君も、得ないでしょ。早くぺいんとに会いたいからもういいよね」
「………」
「ハンカチありがとう。授業遅れないように戻るんだよ。じゃあね」
教室の扉を開けるとより鮮明に聞こえる喘ぎと水音。
あぁ、そうか。セフレなんかじゃない。もっと綺麗なはずの、もっと鮮明に見えてもいいはずの関係なんだ。4人は。
ずり、ずり、
思わず座り込んでしまう。やまない声と音。耳を塞ごうにも塞げない。
「はぁ゛♡んぐぅ♡♡も、むり、むりらから♡♡」
「まだ入れたばっかでしょ」
「あ゛ぅ♡♡きつ、♡きついぃ♡♡♡ぁ゛゛♡」
「はは、やっぱ教室だと興奮すんだね。すごい締め付け」
「……っ♡♡♡あん♡♡あ゛♡おぐ、きもち♡♡も、と、ぉ゛♡♡♡」
「やっと強請ってくれた。いいよ。もっと、ね!」
気づいたら昼休みが終わってた。
黒板を見てぼーっとして………考えてたのはさっきのこと。
気持ちよさそうな声。見なくても想像できてしまう。きっと酷く乱れて、やらしくて………。
あー、ダメだドキドキする。あそこの常連になりそう………。
恐怖より、嫉妬より、怒りより、興奮がずっと支配し続けてる。
ぺいんとくん総受け、だんっぜんありだ。
なんだこれ……。
このモブ的にはしにがみさん総受け派だったけど件以降はぺいんとさん総受けになります。あと多分定期的に盗み聞きしたり録音したりしてる。