未来が、セカイで初音ミクにあった日から数日後、学校の音楽の授業で行われるテストの日を迎えた。クラスメートは楽しそうに歌の練習をしているが、未来は心の中で不安が膨らんでいくのを感じていた。あのセカイでの体験から歌うことへの希望が芽生えたものの、現実では声が出せないという現実が重くのしかかっていた。
授業が始まると、先生が順番に生徒たちに歌わせるため、音楽室に緊張感が漂った。未来は自分の番が近づくにつれ、心臓が高鳴り、手が震えてくる。声が出ない自分に対する恐れが、自分の胸を締め付けた。
「大丈夫、あのセカイでのことを思い出して。」未来は心の中でミクの声を思い起こし、自分を励まそうとした。しかし、周りの視線や期待が重くのしかかり、未来の心は不安でいっぱいになった。
「次は未来さん。」先生が名前を呼ぶ。未来は立ち上がり、前に出るが、声が全く出ない。口を開こうとするが、音は全く出てこなかった。ただ、時間が過ぎてく。
「ごめんなさい…。歌えません………。」未来は小さな声で言った。周りのクラスメートたちが心配そうに見つめる中、未来のめに涙が浮かんできた。先生は「分かりました。」と冷たく言った。
家に帰り、自分の部屋に行き、「ミクに励ましてもらえたのに、歌うことができなかった……。」と泣きながらつぶやくと、スマホが強い光を放ち、未来はまた真っ白な空間が広がったセカイにいた。
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