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『2話 塔葉維月』
【車内】
?「…俺って本当に逮捕されたんすか?」
?「あぁ、そうだね」
?「…死刑、とかには」
?「馬鹿か、こんなんで死刑にはならん。しかもお前は見たところ未成年だろ?」
?「…多分」
俺は手錠をつけられ、黒い車に乗せられた
そして今、どこかに連れて行かれている最中だ
?「…お前の情報が見つからん。」
?「俺の情報?」
?「あぁ、名前も年齢も親も出身地も何一つ見つからない」
?「そりゃあ俺、ゴミ捨て場の中から生まれたし」
?「頭が悪いな、ゴミ捨て場が人間の子供を産んだと言うのか?」
?「…まぁ、それでいいんじゃない」
?「…よくないだろ」
フードの少女は見たところ俺より年下なのに、無駄に知識がありそうで少しムカつく
?「…ついたぞ。」
?「…」
ついに警察署に着いてしまった。
これから拷問なんかやられて精神的に追い詰めていくのか…
?「お前は目隠しをしろ。私が引っ張るから」
?「え…あ、わかった」
手渡された黒い目隠しをして外に出る
風が冷たくて、海の匂いがする
なんでこんな遠くの場所まで来たのだろうか
【???】
?「目隠しを外していいぞ。」
?「…」
俺はゆっくりと目隠しを外す
そして目の前に見えたのは…
天まで続いている建物に、錆びたパイプが張り巡らされてる
俺たちが立っているところだけ日に照らされていて、太陽の光が眩しい
?「…すごい」
?「だろ?今日からお前はここで仕事をするんだ」
?「え?」
?「ほら、先輩のお出ましだぞ」
少女の指差す方を見ると、暗闇から靴の音がする
?「…」
?「自己紹介しろ」
塔「俺は塔葉維月。これからお前の教育係だ」
?「あっ…よろしく」
塔葉維月と名乗る男は俺を少し睨め付けた
塔「お前、名前は?」
?「えーっと…」
塔「無いのか?」
?「…俺、ゴミ捨て場で生まれたんで」
塔「おい、セカイ。こいつを脳の病院に連れてけ」
セ「まぁまぁ、いいじゃないか。仕事ができれば」
この少女はセカイというらしい
キラキラネームだな
セ「折角なら名付けてあげればいいじゃないか。長生きできるように祈って」
塔「…しょうがないな」
?「…」
塔「………七星とか」
セ「…お前って本当に好きだな。タロットカード」
塔「なんだっていいだろ」
タロットカードはよくわからないが、俺の名前は七星になったらしい
セ「じゃあ私はここで、あとは塔葉に頼むよ」
塔「はいはい」
七「…」
【建物内 一階】
どうやら俺の部屋があるらしく、そこまで案内してくれるようだ
塔「…お前、セカイから聞いたか?」
七「何を?」
塔「仕事のことだよ、お前がこれからやることになる」
七「全く聞いてない」
塔「…じゃあザッと今説明してやる」
七「…どーも」
塔葉維月は少しの間黙り、口を開いた
塔「自分の寿命を使って人を殺すんだ。」