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海晴はそんな柚杏とキンカジューを愛おしそうに見つめていた。
そんな中、遠くから轟音が微かに響いており、地面も少し揺れているような気がする。キンカジューも怯えていた。海晴、柚杏、蒼空は一斉にアマゾン川に目をやった。一目でポロロッカ来るのが分かる。自分達が先ほどまでいた場所はもう水浸しだ。
「これがポロロッカだよ」
「精霊さんのお怒りさ」
柚杏と海晴は静かにそう告げた。蒼空は、何も言わずに、ただ、じっと川の様子を眺めていた。
そうして、長い夜が明けた。
そうして今日も又、蒼空は小石に躓きド派手に転んだ。
「小石さんごめんなさーい!!!」
さぁ、二度目のこの絵面だ。大概に飽きていただろう。海晴は呆れ、柚杏は爆笑し、蒼空は土下座だ。先住民族もそんな彼の行動を見て、可笑しくなったのだろう。皆揃って笑い始めた。
「はぁ~、取り敢えず、もう謝るのやめようか」
海晴は大きなため息をつきながらそう言った。
「はい、これ、塗りな」
柚杏は笑い過ぎて痛くなった腹をおさえながら草をすり潰してできた塗り薬を蒼空に渡した。
「ありがとうございます」
未だに正座をしながら蒼空は塗り薬を受け取り、両膝と手に塗った。意外と染みないらしく、蒼空は目を丸くして驚いていた。