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アルカディア遺跡の奥深く、崩れた石の階段を下ると、三人の目の前に巨大な鋼鉄の扉が現れた。無数の配線と、赤く点滅するセキュリティランプ。
「なにこれ……普通の遺跡じゃない……」
リクが思わず後ずさる。明らかに“現代”……いや、“未来”の技術だ。
「封印……されてるノカ? 開ケル、方法……」
ロビンが端末の残骸を調べていたところ、アイビーが不意に何かに気づいたように駆け寄った。
「リク! このへん、地面にうっすら書いてあるよ、なんか……パスワード、かな?」
アイビーが指さす床には、手で書いたような文字が残っていた。
“We are still watching.”
リクが呟いた瞬間、扉のセンサーがピピッと音を鳴らす。
ガシャアアン――!という重い音を立てて、扉が開いた。
そこに広がっていたのは、真っ白な空間。
球体のモニターのようなものが空中に浮かび、突然そこから“声”が響いた。
「アクセスを確認。ドリームコア認証コード:ヒト属、生存者レベル:3。ログインを許可します」
リクたちは目を見開く。
「誰だ……お前は……!」
「私は、この空間の“観測者”。人類が生み出した実験体。そして、君たちの問いに答えるために残された《知性》――」
その声に導かれるように、奥の壁がまた開く。
そこには、人間の形をした金属の像――まるでAIのような機械生命体が椅子に座って、三人を静かに見つめていた。
「……こいつ……喋るかな……」
リクが一歩近づいた瞬間、機械が音もなく口を開いた。
「世界は、分かたれた。あなたたちは、“間違いの果て”にいる」
「間違い……?」
「世界を割いた実験は、“創造”ではなく“選別”だった。残された者がどちらだったのか――それを、君たちが証明する」
三人の背中に、ひんやりとした緊張が走る。
この遺跡の奥には、まだ誰も知らない“真実”が眠っている。
次回、ついにドリームコア創造の裏側が明かされる――!