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【ななし】:【だいぶ毒舌で上から目線な女性。「この世界を終わらせる」為に動く。右肩を負傷し、ほわりに治療して貰った為右肩に包帯が巻かれてある。ほわりを攻撃した際に短剣を使った為、短剣を主に武器とするのであろう。両親を殺されたという深い過去を持つ。楽の国の住民である。自分の実力に誇りを持っている】
【ほわり】:【優しく暇人の様な不思議な男性。ななしを治療した張本人。ななしの不意な攻撃を軽々と避ける実力者。ななしの世界を終わらせる旅に同行する。何を考えているか読めないところが多数ある】
【ろーぶ】:【喜の国のTOPである。自身の肉体強化をする能力を扱う。足や手などの体術を得意とする。人々からはあの方と呼ばれているみたいだ】
楽の国・・・今現在は血の国化としている。人は誰1人居ない。無の国を中心に喜の国・怒の国・哀の国によって滅んだ。
無の国・・・今現在は忘れ去られた国となっている。無の国のTOPの人物が病死してから怒の国と哀の国の喧嘩が悪化し、戦場地化した為滅んだ。
喜の国・・・ろーぶが住んでいる国。いつも喜んでいて、それでいて呑気な人が多い。昔楽の国と同盟を組んでいたらしい。
第5部
喜の国と最初の被害者〜初めて人が死んだ日〜
注意 今回は『血』の表現が含まれます。
「あ….」
ななしが恐怖に怯えた顔をしてその言葉を弱々しく発した。
銃を発砲した音がした。ろーぶの足目掛けて弾が飛んだ。その瞬間ろーぶは銃の弾を避ける様にななしに振り下ろそうとした脚を下げ、距離を取る。
「よそ見しないで下さい‼︎‼︎どう言う状況か分かっているんですか‼︎⁉︎本気で挑まないと死ぬと言いました‼︎‼︎」
珍しくほわりが大きな声を出した。さっき発砲された弾はほわりがななしを助ける為に撃った物だろう。
「あっごめんなさい….」
ななしが弱々しい声でそう言った。ろーぶからの攻撃を受けて死ぬかもと思った事、ほわりから大きな声で指摘を受けた事に恐怖を感じている様に見える。
「ん〜惜しかったですね。急にごめんなさい突然攻撃仕掛けられてびっくりしましたよね。申し訳ないです。**これで私の気持ち分かりましたか?**確か….ななしさんと言いましたよね?」
低い圧をかけるような声でななしの俯いた顔をしゃがんで下から覗き込む様な動作をした後にろーぶは言った。
それに驚いてななしは後退りをしてろーぶから離れる。
「え….えぇ….ななしよ….なんか調子狂うわね….」
急にほわりから指摘を受けた事、ろーぶに1歩手前まで迫られた後にこんな優しい様な言葉を掛けられた事に酷く動揺している様だ。
それを吹っ切るかの様にほわりは言う。
「早く対処しますよ‼︎本当に早く本気で挑まないと段々肉体強化積まれていつか詰み状態になります‼︎‼︎」
「え….そんなに焦る事なの….?ん….ん….?調子狂うわ….‼︎‼︎やってやろうじゃない‼︎‼︎どうなっても知らないからね‼︎‼︎恨むならあいつにしてよね‼︎‼︎」
ななしはそう言う。どうやら吹っ切れた様だ。
「吹っ切れましたか?まぁそっちの方が早いので全然wellcome何ですが….そろそろ仕事の時間ですね。早めに片付けます。安心して下さいすぐ終わらせますよ」
ろーぶは手に付けているグローブをしっかり着直してからのそう言った。
「(ななしさんが殺ってくれるでしょうか….ならば私は背後から援護….ですかね….?嫌….なるべく早くしないと手遅れになってしまいます….なら….!)」
ほわりは心の中でそう呟く。なにやら良い案を考えた様だ。視線をななしに送り、察してもらおうとする。
ななしはほわりの視線を受け取り何か考えているのかと思い察した。
ななしはろーぶに短剣を1本投げてから後ろに回り込み、ろーぶに向けて短剣を差し込もうとする。いつものやり方だ。これならろーぶもすぐ見破れるだろう….。
ななしが仕掛けた攻撃は上手くいかずに更に短剣は砕け散った。
「はい」
ろーぶは掛け声に合わせてななしの腹に向けて思いっきり蹴りを入れる。肉体強化を積んでいるので凡人以上に威力があるだろう。ななしはそれをもろに喰らった。
「かはっ……..うげぇ….」
口から赤い液体が出る。血だ。ななしはその場へ尻餅を着いて倒れ込む。
「もう終わりなんですか?余裕張ってた感じでしたが僕の勘違いだったのでしょうか….しっかり本気で挑んで貰わないと….」
ろーぶはそう見下す様に言う。この間にななしにとゞめを刺しておけば良い物の….。
「言われなくても….ちゃんとするわよ….」
ななしは立ち上がりながらそう言う。
「….まだまだ行きますよ?」
ろーぶはにっこり微笑んだ後に攻撃を仕掛けようとする。何故この場に置いて微笑むのか意味が分からない。変な奴だ。
ななしはまたろーぶに攻撃を仕掛けようとする。今度は足だ。こいつは足さえ機能しなければ勝ったに近い状態になるだろう。例えろーぶでは無くても足が機能しなければ勝てる状態には誰でもなるだろうが。
ななしはポケットから音を立てずに短剣を4つ取り出し、ろーぶの足目掛けてしゃがみ、そのままろーぶの足元を通って後ろに回り込んで探検を3本ろーぶの足に向けて差し込んだ。
それも無座間に砕け散る。ろーぶが3本の短剣に気付き、足で投げ払ったのだろう。
「足なんて危ないですし怖いですよ?」
ろーぶは言う。喋ってる暇があるのだろうか?
「そこっ‼︎ちゃんと見てなさいよ‼︎もう1本‼︎」
ななしはそう大きな声で言う。そう。4本取り出したと言ったな。3本しか仕掛けていないのだから必然的に1本余る事になる。簡単な引き算だ。
「あ”….」
ろーぶがそう呟いた。だから喋ってる暇があるのか?と思ったのだ。もう手遅れだ。
「痛いですよ….あ”ー….」
ろーぶは右脚に刺さった短剣を取る。汚い。赤い赤いまるでろーぶの髪の色の様な血が出る。
「うぇー….気持ち悪いわ….早く止血しなさいよ」
ななしは言う。自分で攻撃を仕掛けた結果なのに文句を言うのもななしらしい。
「止血なんかしていたら多分やられますよね?分かってますよ….」
ろーぶはそう見透かしたかの様に言う。さっきまで呑気に話してた奴が言う台詞なのか?
「何呑気に話してんの?」
ななしが見下すかの様にの様に上からろーぶを見て低い声をして言う。
「は?」
ろーぶは驚いた。急に何を言い出すかと思えば….。
そう言えばずっと**ほわりが居ない事にお気付きだろうか?**そこの優秀な読者様は分かる事だろう。
「(まさか….‼︎さっきからずっと居ないと思っていたが‼︎)」
ろーぶは心の中でそう叫んだ。その瞬間。
「こんにちは〜♪」
ほわりかろーぶの後ろに瞬時に現れ、そしてろーぶの頭に銃口を突き付けた。
「….どうやら1枚上手だった様ですね」
ろーぶは言った。
「その通りよ私達の方が1枚上手だったって訳。呑気に話してたりするからこうなるのよ。あいつが何をしようとしてるのかよく分からなかったけど目線で何となく分かったわ….。全く….怖い物だわ….」
ななしは言った。どうやら最初の時に目線をほりがななしに送った時点でどうやら物事は進んで居たらしい。隙を狙ってほわりが加わったのだろう。
もう逃げられはしない。つまりは終わり….死って事。
「….やられてしまいました….は〜….楽しかった….です。ありがとうございました」
「最後に言う事はそれだけですか」
「そうです。たったそれだけ….つまらないですよね」
ろーぶとほわりはそうやって会話をした。
そしてその後ほわりは銃弾を放った。ろーぶの頭に向けて思いっきり。それと同時にななしはろーぶの首を刺した。
「そろそろ….息の….とまる….時間です….ね….さようなら….世界….」
「せめて….最後に親に復讐をしたかったです」
ろーぶの虚しく悲しく小さな声が響いた。けど誰もその声を聞いた者は居ない。ほわりとななしはその声を聞く前に立ち去っていった。