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俺は長い間片想いをしている
幼馴染であり、敵国のナチに
一目見たときから、その風貌、声、仕草に心を奪われた
建前上仕方ないことではあるが、その好意は墓場まで持っていくつもりでいた
そして12月26日、連邦は崩壊した
俺ら国にとっては死と同義である
事実上の死を迎えた俺は、とある所で目を覚ました
辺りは1面真っ白な雪景色
時々吹く風は、耳をつんざくように鋭く冷たい
ここに居ては凍え死んでしまうと思い、辺りを見回した
都合よく建てられた大きめの家がそこにはあった
パッと見4人ほど住めそうな家で、ここにあるのが不自然なほど目立っていた
しかも明かりがついている
誰かがいるかもしれないと淡い期待を胸に、鉛のように重い身体を起こしそこに向かった
たどり着いた頃には手足の感覚は無いに等しかったが、そんなことなどどうでもよかった
一見チャイムなどは見当たらないため、かじかむ手でドアをノックした
足音が奥の方から聞こえてきた
ガチャリ…と少しの間を開けてドアがゆっくりと開かれる
家主と思われるそいつの正体に俺は思わず声を漏らした
「…ナチ?」
するとそいつも驚いたように
「ソビエト…!?」
と小さい声で呟いた