この作品はいかがでしたか?
19
この作品はいかがでしたか?
19
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
今日、好きな人が出来た。そして友達を1人失いかけている。正確には友達を好きになってしまったんで、友達として接して行けるか分からなくなってる。もちろん相手はその事に気づいていないだろうし、気づいていても相手にその気は無いって分かってる。でもめっちゃもどかしいから一度告白して、潔くフラれよう。……そしたら友達としてもう一度会ってくれないかな……。恋なんてまともにして来なかったから正直何も手につかない、なんてありえないと思ってた。でも本当に朝起きた時から夜寝る前までずっと頭の隅っこで真夜が微笑んでる。ふとした時に真夜。また真夜。頭の中が真夜だけになる。そういう困った時は、夜中にベランダで星を見るようにしてる。何も考えないで1人になれるし、冷えた風が頭の中を整理してくれるみたいだから。冬って星が綺麗に見えるんだなぁ、なんておセンチに息を吐くと白く曇って、その雲が一瞬真夜の顔に見えた。俺やべえやつじゃんかよ……。
「あれ?輝じゃん!おーい!」
幻聴まで聞こえてきた。明日にでもカウンセリング受けようかな。
「てーるー!あれ、人違いかなヤバLINEすれば良かった💦」
「……真夜?」
「やっぱ輝じゃん!何してんのー!降りてきて話そーよー!」
なんでこういう時にいっつも傍にいるんだよ……。――まさか家が近所で、よくこの時間帯にうちの近くのコンビニに来てたとは。そしたら何度か見かけたこともあると思うんだけど……どうだったか?
「いつも上ばっか見てたからでしょー!星、この辺綺麗に見えるもんね」
そうだね、なんて笑いながら2人で公園のベンチに座る。といっても住宅の脇の小さな場所だけど、今日は特別な場所に感じた。
「星、綺麗だね」
ふと見上げた時に、飛行機が通っていて赤い光が点滅しながらゆっくりと流れて行った。
「なんか、のろまな流れ星みたいだなー」
「そんな風に見たこと無かった!おもしろーい!」
彼女は子供みたいに笑った。それを見て確信した。気づけば俺らの間で小さな雲が重なった。それから俺は1人で星を見なくなった。