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魅惑の桜  狂い  歪む

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魅惑の桜 狂い 歪む

1 - 魅惑の桜 第1章 第1話 事の始まり

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2022年04月13日

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桜。それは平安時代から人々が慣れ親しんできた美しい植物。また、花が舞い散る様子は儚さを表現しているかのようでそれも美しいとされる。しかし、江戸の世では死を象徴すると言われていた…

「こんなの読書感想文の始めじゃないよなぁ」

僕こと秋山俊は春休みの課題である読書感想文に苦戦していた。僕が選んだのは坂口安吾の短編小説、『桜の森の満開の下』というものだ。なぜこれを選んだか?理由は至極単純である。短いからだ。しかしいざ読んでみると内容が難解なのだ。少なくとも3回は読み直しているだろう。

「あーこの調子じゃ徹夜だよ。明日から学校だってのに、読書感想文なんて後回しにするんじゃながったよもう」と嘆くのであった。


次の日


「おはよぉ〜…ってなにそのだるそうな顔。せっかく迎えに来てるのに。」

「しかたねぇだろ、こちとら寝不足なんだよ。」

「この前課題は計画立ててやらないとダメって言ったじゃん!」

この朝からうるさいヤツは僕の幼馴染の岩峰彩花である。

「課題はしっかりやってたけど読書感想文に苦戦してたんだよ。」

「へぇ〜読書感想文ねぇ…どうせあんたの事なんだから適当なラノベとかにしたんでしょ?w」

「違うんだなぁ〜それが。坂口安吾の桜の森の満開の下って言うやつだよ。てかお前こそ恋愛ものとかだろ?」

「ち、違うし!」

「おっとその反応を見る限り図星だな?」

「ギッギクッ!」

「それ声に出して言うやつ初めて見たよ…ってもうこんな時間じゃねえか。走るぞ、彩花!」

「う、うん」

そうして僕らは走り出すのだった。


「いやぁ〜僕たちの足が速くなかったら終わってたな。それにしても間に合って良かった。遅刻してたらまた小林にドヤされるとこだったよ。アイツうるせぇからなぁ」

「あんたが何回も遅刻するからでしょ?」

「それを言われると何も言えん…」

「おっと…もうそろそろ先生が来る時間だね。また後でね。」

「おう」


HR後


授業が終わり彩花が寄ってくる。

「俊ー今日から部活あるらしいよ」

「あぁ…何時からだ?」

「昼ご飯食べてからだから1時ぐらいだよ」

「OK了解した」

「よし!じゃあご飯食べよっか!」


部活


僕は陸上部で彩花はバスケ部に所属している。足が速いのも陸上部とバスケ部だからだ。ちなみにうちの高校は陸上、バスケ共に全国レベルの強豪校である。それ故、初日だと言うのに新入生が見学に来ている。

「僕たちは普通に練習するから君たちは自由に見学しといてね。」と、新入生達に説明する。そしてストレッチから始める。やはり準備というものは大切だ。切り替えにもちょうどいい。ストレッチ中に周りを見やると我が陸上部のエース上北先輩が目に入った。上北先輩は長距離、僕は短距離であまり関わりがないわけだが…先輩はとてもきっちりとした人で顧問の小林からの信頼も厚く、それに加えて見た目もとても綺麗なので部の男子からかなりモテモテである。しかし、そんなきっちりとした先輩だが…前々回の大会では無断欠席、前回の、大会では遅刻…しかも、結果は散々…と最近は様子がおかしい。また、前までとても明るく、笑顔をばらまいている人だったが大会の時ぐらいから無表情である。しかし見ていると練習ではいつも通りペースはとても速い。まぁ今は部活に集中しよう。僕はそう思い活動を開始するのだった。


部活後


「ふぅ〜初日から部活だなんて鬼畜だなマジで」

「まぁいいじゃん。部活楽しいし。」

「まぁそれもそうだな。」

「あ、そうそう上北先輩って分かるか?」と彩花に問いかける。

「上北先輩って陸上部の人だよね?」

「あぁそうだ。と言い、上北先輩の説明から入りこれまでの事を彩花に言う。

「…とまぁ、こんな事があったんだよ。不思議だよなぁ。練習じゃいつも通りだしなぁ…」

「調子悪かったんじゃない?」と彩花が言う。

「いやぁでも僕が見る限り調子が悪かった訳じゃなさそうなんだよなぁ…」

「まぁいいじゃん。詮索するのもあれだしこの話は終わろ!」

「まぁそれもそうだな」と言い、他愛の無い話をしながら帰路を辿る…だが歩いていると…

「あ、秋山君、今いいかな?」と、後ろから声を掛けられるのであった。その声の主は…上北先輩だった。

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