テラーノベル
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ダグラスは自室で、エストミールを眺めていた。
「こんな部屋から、エストミールか…」
エストミール近くの小町、ヴェディにダグラスは住んでいた。ダグラスの自宅からは、わずかではあるがエストミールの町が見えていた。
「久しぶりに、エストミールに行くか…もしかしたら、あの人に会えるのかもしれない。」
ダグラスは軍服のコートを羽織り、銃をしまい、情報通信機を片耳に取り付けた。そして、ドアを開けた。
今日は、早朝から晴れていた。夏真っ盛りの季節だが、ヴェディは涼しかった。風は心地よく吹き、日の光は優しかった。
「こんなところで…よぉ、ダグラス。」
突然、背後から声が聞こえた。ダグラスは驚き、すぐに振り返った。
「…ニクソン?」
「そーだよ。こんな日でも軍服を着てるなんて、ちょっと馬鹿げてるよなぁ。すぐに招集が来たら、駆け付けられるようにするためなのか?」
「そうでもない、こんな日に着るべき服がないんだ。」
「どういうことだよ?ちょっと重苦しいよな、ダグラスってよ。」
ニクソンは半ばからかうようにして、ダグラスを見つめた。そんなニクソンも、堅苦しく軍服に身を包んでいたが。
「一体こんな格好で、どこに向かおうとしていたんだ?どーせ、ダグラスが大好きなあの、エストミールか?」
ニクソンはニヤリとダグラスの顔を覗き込む。
「………」
ダグラスは、なんとかして黙っていた。
「こういう返事、なかなかダグラス風味で面白いよなぁ…答えてもないくせに、なんだか答えが分かっちまった感じがするんだけどな!!ギャハハ!」
そう言って、ニクソンは力強くダグラスの肩を叩いた。
「あーー!面白くて、お腹痛くなってきた……!」
「お前がどうして笑っているのかが、よく分からないのだが…」
「ハ?」
ニクソンは硬直した。
「ちょっと、オレの話きちんと理解していないのか?」
「あぁ。」
「ったく、ダグラスって正直な所あるよな…オレがさっき笑ったのは、お前には大切な女とか、そういうのがいるからエストミールに行きたいって思ってるんだろうな~って、考えただけで笑えちまったんだよ。」
「俺には彼女はいない。」
「チョッ、正直者すぎんだろーが!!!!」
ニクソンは大声で叫んだ。周りの通行人が、一斉に二人に注目した。ほとんどが冷ややかな視線だった。
「ほら、ダグラス…お前がこんな感じなせいで、すっごい気まずくなったんじゃねえかよ。」
「それくらい慣れている。早く路地裏にでも撤退するか。」
「ったく!!ダグラスって奴は!!!」
注目の視線は閑散とせず、見つめられながらもなんとか二人は路地裏へと逃げ込んだ。
「おいおい、一体何考えてそんな発言なんかしたんだよ……?そこはいたってシンプルな解答でも十分だろうが!」
ニクソンはダグラスを責め立てた。しかし、ダグラスは何も返答を行わなかった。
「…ったく、周りの雰囲気とか察することができねえのかよ?」
「知らない。」
そのままダグラスは路地裏を一人で抜けていった。ニクソンは呆れながらも、ダグラスの後ろをついていくようにした。
「なんで勝手に話を終わらせたんだよ!?そして、どうしてオレの事勝手に置いてけぼりにするんだよ!?」
「……」
「おい、ダグラス!!何でもいいから答えろ!!」
「ニクソンに何か答えることができる時間がないんだ。俺はエストミールに向かっているんだ。」
「エストミールとか放っておいて、まずはオレの質問から答えろってな!!」
ニクソンとダグラスのやり取りは日が落ちるまで続いていた。昼食を取るときも、ヴェディを散策しているときも、彼らの口論は続いた。結局、日が暮れても結論は出なかった。
すると、ダグラスが装着していた情報通信機器から、音声が流れた。
「COMA隊員は急いで集合してもらいたいサ!エストミールで、星外生命体が現れた、という報告が入ったのサ!!」
「おい、ダグラス………!!エストミールって……!!」
「……!!!」
ダグラスの歩く足が止まり、大きく目を見開いて愕然とした。
コメント
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お疲れさまです、寺島あおいです🤍 第9話、読ませていただきました! もう、ニクソンとダグラスの掛け合いが絶妙で、思わず笑ってしまいました。「ギャハハ!」って笑うニクソンと、まったく動じないダグラスの温度差がたまらないです。でも最後の緊急招集——エストミールで星外生命体が……って、一気に緊張が走って鳥肌が立ちました。ダグラスが「あの人」に会えるかもって考えていた伏線が、ここにきて重く響きますね…! 次が気になって仕方ないです🌷
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