どうしてこうなったのだろうか。
恋人と会える微かな嬉しさも、ここまで追いやった罪悪感もグチャグチャに混った。
止めるわけでももなく、そこに居続けた。
俺死んでから恋人は、壊れたように俺の名前を呼び続けている。
言えるなら「ここに居る」と言いたいのに、所詮は幽霊である俺には何も出来なかった。
跳ね飛ばされた場所に来てはネックレスにしていた指輪を探している君を見て、現実の残酷さに打ちひしがれていた。
そして君は、初デートで訪れた海岸に夜中にオシャレして現れた。
傍からみたら何してるのか疑問に思うだろうが、残念ながら誰一人としていない。
君は俺に会いに来た。
最早声も出ない。恋人は死にに、命を終わらせにきてしまった。
嗚呼、俺は君の「生」すらも奪ってしまうのか
コメント
5件
うわぁぁー!!事故で亡くなってしまった男性視点ですか、、、!! 死んでしまった後も、恋人のそばに居続けていたのに、幽霊だから気づいてもらえないのは辛い、、、 自分が死んでしまったせいで、恋人が死んでしまうのは見ていてきっと悲しかっただろうに、、、 せめて、2人ともあの世で幸せになってほしいな、、、!
これで「失ったモノ」の対となる「奪ったセイ」が完結で、完全に一つの作品として仕上がりました! 最後の話だけタイトルが違うのは現在進行形だからです。ちなみに他シリーズとも一応繋がっている設定ですよ〜