どうしてこうなったのだろうか。
恋人と会える微かな嬉しさも、ここまで追いやった罪悪感もグチャグチャに混った。
止めるわけでももなく、そこに居続けた。
俺死んでから恋人は、壊れたように俺の名前を呼び続けている。
言えるなら「ここに居る」と言いたいのに、所詮は幽霊である俺には何も出来なかった。
跳ね飛ばされた場所に来てはネックレスにしていた指輪を探している君を見て、現実の残酷さに打ちひしがれていた。
そして君は、初デートで訪れた海岸に夜中にオシャレして現れた。
傍からみたら何してるのか疑問に思うだろうが、残念ながら誰一人としていない。
君は俺に会いに来た。
最早声も出ない。恋人は死にに、命を終わらせにきてしまった。
嗚呼、俺は君の「生」すらも奪ってしまうのか