こんにちは!こうちゃです。
第2話になります。 注意事項は第1話をご覧下さい!
個人的に子🇺🇸は子🇨🇦よりも臆病でビビりだったらいいなぁと思って書きました。ヒーローになるのは独立を意識し始めた頃くらいからかなぁなんて妄想してます(笑)
少し短いですが、楽しんで頂けると嬉しいです!
「いぎりすさーん…?」
「いぎりすー?」
いつもならカチャカチャとキッチンから忙しなく聞こえる音が今日は全くしなかった。
嫌な予感を抱えながら2人は恐る恐るキッチンを覗く。
「……っ!!」
「いぎりすさんっ!!!!」
イギリスは真っ青な顔をしてキッチンの床に倒れ込んでいた。
「いぎりすっ…いぎりす!!!」
アメリカが大きな目に涙を浮かべながらイギリスへ駆け寄る。
「いぎりす!いぎりすってば!!!」
アメリカが必死に呼びかけるが、イギリスはただ苦悶の表情を浮かべて何かに耐えるように蹲るだけだった。
「いぎ…りす…死んじゃやだぁ…!ポロポロ」
「い…ぎりすさんっ…そんな…どうすれば…」
イギリスに縋るアメリカの隣でカナダが必死に視線をさまよわせる。
「あっ…!アル!ちょっとどいて!」
「……へ…?な…なに…?」
「…イギリスさん…少し…ごめんなさい」
イギリスからアメリカを引き離したあと、カナダはそう声をかけて、イギリスの体を庇うように置いてあったその手を掴んだ。
「…い゙っ…!…っ…」
イギリスは酷い痛みに耐えるように歯を食いしばる。目の端にはじわりと涙が浮かんでいた。
「…っ…!!」
「…ぁ…う…そ…そんな…っ…」
おそらく貫通でもしているのだろう。
イギリスの鳩尾からは真っ赤な血液がとめどなく溢れていた。
「ましゅっ…ど…どうしよう…!!
こんな…こんなに血が…!」
「と…とにかくだれか…大人をよばなきゃ!
僕たちだけじゃ無理だよ…!」
パニックになりかけているアメリカの手をカナダがきゅっと握る。
「アル、おねがい!だれか大人を呼んできて!」
「…お…おれがいくの…!?」
「アルの方が僕より足が早いし…それに、この辺りに詳しいでしょ?」
「…で…でも…」
「いま、いぎりすさんを助けられるのはアルだけなの!」
カナダは零れ落ちそうな涙を必死にラベンダーの中に収めてアメリカを見つめる。
「…わ…わかったんだぞ…! 助け…呼んでくる!!
だからおれが戻るまでに絶対しなせちゃだめだぞ!!」
「…うん…!」
カナダが頷いたのを合図にアメリカは弾かれたように走り出した。