テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ワンナイトラブ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ことの発端は、15分前に遡る。
10階のシステム部で残業を終えた僕と、最上階での新製品発表パーティーのサポートを終えた白石さんは、1階で待ち合わせて食事に行く予定だった。
たまたま10階からエレベーターに乗り込むと、そこにはタイトなスーツ姿の、少し頬を赤らめた彼女がいた。
「あ、ちょうどよかった♡」
「白石さん、お疲れ様。……ちょっと顔赤いけど大丈夫?」
「えへへ、シャンパン、美味しかったですよ〜」
そんな穏やかな会話をしていた、その時だった。
――ガクンッ!!
激しい衝撃と共にエレベーターが停止し、視界から色が消えた。
数秒の静寂の後、頼りない非常灯が灯る。
『停電のため停止しました。そのままお待ちください』
機械的なアナウンスが流れた。スマホを確認するが、当然のように「圏外」の文字。
(終わった……)
絶望する僕に対し、白石さんはなぜか嬉しそうに、僕の腕にぎゅっとしがみついてきた。
「今日、朝から雷すごかったですもんね。……ねえ、陽一さん。今、二人っきりですね?♡」
「う、うん。でも救助まで30分もかからないはずだし、まずは落ち着いて……」
なだめようとした僕の左手が、彼女の柔らかな感触に包み込まれた。……む、胸!?
一瞬で理性がショートしかける。
「30分もあれば……やりたい放題ですね〜♡」
悪魔のような囁きだった。