テラーノベル
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「なぁなぁ、ナオってどこが可愛い?」
「え?なんやねん急に(笑)」
休憩中、お昼ご飯を食べながら、セイちゃんに質問してみる。
昨日、「顔が好き」とたっくんに言われたことが、少しだけ引っかかっていた。
嬉しいのに、嬉しくない。変な感覚だった。
セイちゃんなら、なんて言うんやろう。そう期待した。
「ナオは〜、全部可愛いよ。」
「そういう事やないねん」
「えっ?何怒ってるん(笑)」
「怒ってへんけど、もっとちゃんと言って!」
「ちゃんとって何?全部可愛いって」
「もう!せやからモテへんねん!」
「ひどっ!いやモテるし!」
“顔”がマシに思えてくるレベル。
期待したのに。
「じゃあ、そういうとこかな」
「ん?なによ?」
「俺に”どこが可愛い?”って必死に聞いてくるとこ?」
「……そういうの。そういうのもっとちょうだい。」
「それも可愛い」
「他には?」
「セイちゃんって引っ付いてくるとこ」
「…他は?」
「求めるな〜(笑)」
「…………顔は、?」
「顔?」
つい、そのワードを出してしまった。
無意識に、比較してしまっていた。
「顔ももちろん可愛いで?」
「顔だけ、やない?」
「は?当たり前やん、何言うてんの(笑)」
「っ…、も〜♡セイちゃんすき♡」
「どうしたんほんま(笑)もーはよ食べな冷めるで?」
やっぱりナオの王子様やな♡合格合格♡なんて満足しながらご飯を食べた。
***
夜、振り入れのためメンバーが練習室に集まった。
たっくんがコレオを担当した曲。
「ここはセクシーな表情してね。(笑)」
たっくんがみんなにそう伝えると、少し恥ずかしそうにしながらも鏡の前で練習するみんな。
1人1人確認しながら、隣に行って確認しだすたっくん。
「カイリュウ、ふざけてんだろ(笑)」
「はっ?ふざけてへんって!色気ムンムンやから!」
「リュウキ、まだ照れてる。」
「え、、え〜ムズいって!!」
「ハヤトはうん、ちゃんと入れてるね」
「やった〜!」
「エイキは、いいんだけどもう少しキラキラ感抑えて(笑)」
「…どうやるんそれ(笑)」
「セイトは、オラつくくらいの方がいいかも」
「おっけー、任して?」
「ラン、もうちょい煽る感じにしよっか」
「煽るね、やってみるわ」
最後にナオの隣にきて、じっと顔を見つめる。
「……うん、ナオちゃん、…綺麗だよ。」
「……えっ、」
鏡越しに目が合って、ニコッと笑いかけられた。
思わず振り返ってたっくんの方を見ようとすると、スッと向こうに行ってしまった。
「じゃあ音流してやってみよっか」
モヤモヤするような、なんだか言い表せない感情になりながらも配置についた。
***
振り入れが終わり、みんなが別の仕事に行ったり帰ったりする中、セイちゃんとたっくんが2人でコレオについて話をしていた。
振り入れをしたのは、セイちゃんが作った曲。
だからか、コレオをべた褒めしながら熱くたっくんに語っていた。
セイちゃんと一緒に帰ろうと思っていたけど、なんか長くなりそうやな。
そう思っていると、スマホが鳴る。
電話に出ようと、練習室を出た。
電話を終え、練習室に戻ると、たっくんが1人で踊っていた。
集中していて、ナオが戻ってきたことには気付いていない。
電話している間にセイちゃんは帰ってしまったようだった。
どうしようかな、と考えながらも、たっくんのダンスに目が行った。
ほんまに、綺麗に踊るよなぁ。
なんでこんなに線が綺麗なんやろ。
表情もかっこええなぁ。
ほんで、色気すごっ…
思わず釘付けになりながら、その場に腰を下ろした。
1曲踊り終え、感動して自然と拍手をしてしまった。
その音にびっくりしながらこっちを見るたっくん。
「っ、ナオちゃん、いたの?」
「なぁもうほんまにかっこいい!!やっぱりたっくん天才やわぁ!」
少しオーバーに拍手しながらリアクションを取ると、照れた顔を見せた。
え?何その顔、急に可愛いやん!
ギャップすごいよな、ほんまに。
「いたなら教えてよ(笑)」
「え〜だって踊ってたから。邪魔したらあかんやん」
「一緒にやる?」
「えぇ、ナオはもういい。(笑)」
「こら。サボんないの。(笑)」
ほら、立って。と腕を掴まれる。
えぇ?ほんまに…?と渋々立ち上がった。
「表情教えてよ。ナオちゃん上手いから」
「たっくんもう十分上手いやん!」
「1回踊って見せて」
「え?一緒にやってよ!」
「俺の事見といてそれ言うんだ?」
「…も〜、しゃーなしやで?」
珍しく流されて、鏡の前に立った。
たっくんが音を流す。
鏡の中の自分だけに集中する。
さっき、表情を練習した部分。
「綺麗だよ」というたっくんの声が、ふと頭を過ぎった。
そこで、ふいに音が止まる。
「っ、あれ…?」
音が止まった瞬間、スイッチが切れて、少し混乱する。
振り返ると、そこにたっくんがいなくて、いつの間にか隣に来ていた。
「え、たっくん、なにっ、?どうしたん、」
「いや、もっと近くで見たくて。」
「え…っ、」
肩を組まれて、鏡越しにじっと顔を見られる。
「っ、な、なんなん?恥ずかしいねんけど!」
「本当に、綺麗な顔してるよね。」
「え…」
顔、だけを見ている。
ナオの言うこと、反応、そんな事はどうでも良くて、ただ、顔だけ。
そんな冷たさを少しだけ感じた。
「……ほんまに、ナオの”顔”が好きなんやな、」
「うん、そうだよ。言ったじゃん。」
真っ直ぐに見つめて、そう言い放つ。
感じていたモヤモヤが、溢れ出ようとしていた。
「……それってさ、どういう”好き”なわけ?」
「どういう?」
「恋愛ではないやんな…?」
「ああ、うん、違う違う。(笑)」
「じゃあ、何?」
聞いてはいけないような気がしていた。
でも、気になって仕方がなかった。
「…聞いちゃうんだ?」
「え…っ、」
そう言って、組んでいた肩を引き寄せられて、顔に手が触れたと思った瞬間唇に柔らかい感触。
「っ…は、っ、?」
「あ、…その顔も、好きかも。」
「っ、え、まって、?…まってっ、ん…っ、」
いきなりキスされて、頭が真っ白になる。
抵抗しようとする手を、どこまでも追って掴んで離さない。
「っは、ぁ、…っ、んん、っ…、!」
逃げる舌までも追われて、絡まれると身体が熱くなってしまう。
ゆっくりと口内を掻き回すそのやり方に、フラつきそうになってたっくんの肩を掴んだ。
支えるように腰を持たれて、すーっ、と背中を撫でられて頭がふわふわする。
「っ、/あ…、!」
執拗に絡まれた舌を突然抜かれ、唇を啄むようなキス。かと思えば、油断していると舌を吸われて、耳に響くリップ音に腰が疼いてしまう。
(っ……あかん、たっくん、……めっちゃキス上手い、、っ、)
もはや抵抗するのを忘れ、思ったのはそれだった。
何も考えられなくなって、されるがままにキスを受け入れてしまった。
それどころか、もっとしたい、なんて、
「ん、ふ…っ、あっ、ぁっ、/たっく、…、」
たっくんの服を掴みかけたとき、急に唇を離されて困惑した。
「…っ…抵抗しないんだ、?」
「……っ、え、…、」
煽るような目。だけど、口角は上がっている。
は?
なに?
なんなん?この男!!!
「っ、あんた、ナオをどうしたいねん…っ、」
「…うーん…どうしよっかな。キスしちゃったしな(笑)」
「はぁ?!なんやねんその感じ…!もう…ほんまに……っ、」
「ナオちゃんだって受け入れてたやん(笑)」
「っ……/、だってたっくん…キス上手すぎやって…」
「え…、そんな事言っちゃうんだ?」
「……もうキスしてもうたから開き直るで。あんたがナオの顔が好きなら、ナオはたっくんのキスが好き。」
「っ……へぇ?いいじゃん。お互いにメリットあって。」
「……ねぇ、もっかいしてよ、」
「ハマっちゃった?(笑)」
「キスだけな!」
たっくんには緊張する、なんて言ってたのが嘘みたいに、開き直った瞬間対等になったような気がして、首に手を回した。
𖤐·̩͙
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コメント
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わーー!大人だ……ッ🫣 🍓🐿️の時とは全然違う🍓の魅力✨こんな始まり方新鮮で続きが気になる〜!